【沖田総悟】消えた君、濡れたアイマスク

dream:16 ページ17

あれから数日が経ったが、俺とAに変わりはない。

以前のように、二人で色んなことをした。
一緒に歩いたり、見たり、食ったり。



だが、俺には少し変化があった。



奴に対する気持ち。


クラスメイトのチャイナや志村姉とは、俺の中で全く別のところにいて。

だが姉上とも違う。




この感情は――――…







｢なぁ総悟｣

考えていたところ、ふいに声を掛けられた。

｢なんですかィ？ 土方さん｣
｢その後、あいつとはどうなったんだ？｣
｢なんのことでさァ｣

土方はAのことを言ったのだろうが、あえてとぼけてみる。


｢わかってんだろ｣


顔に青筋を浮かべつつ言うマヨ…土方。これ以上怒らせて怒鳴られるのも面倒に感じた俺は、静かに答えた。


｢どうなったも何もありやせんよィ。今まで通りです｣

｢…お前はそれでよかったのかよ｣


“よかったのか”

その言葉の裏にどんな意味が込められているのか…、なんて考える気にもならない。

あいつがこの世にいないことを知ったからと言って、俺は…。


｢成仏できねぇ幽霊を夢の中にいさせるのに、いいも悪いもねぇでしょう。
俺がしたいようにしただけでィ｣



土方さんは、そうか、と呟いた後、こんなことを言った。



　





｢お前、Aに惚れたか？｣

｢な…｣


ニヤッとする土方に俺は


｢んなわけあるかよ｣



そう言い捨て、教室を後にした。

dream:17→←dream:15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す