Road00 ページ2
「ひゅ〜！今日も大変そうですなぁ！1番街さんはぁ！」
「呑気に言うてる場合ちゃうねん！」
碌に舗装もされていない道を走るトラックは、異常なスピードを出して追手の車から逃げている。
フロントガラスに打ち付ける雨と忙しなく動くワイパーが余計に迫真なアクションを演出していた。
間違いなくスピード違反で捕まる速度だが、残念ながらこの街に「法律」という概念はない。
さて、そんなアクション映画顔負けのカーチェイスを繰り広げているこのトラックが、何故そんな目に遭っているのかというと答えは至極単純明快で。
1番街――且つて「大阪」と呼ばれていたその街は、中心部だけが東の連中によって整備されている。
ひっくり返せば、1番街以外は荒れ放題という訳で。
その荒れ放題の連中が、いきなり1番街で積み荷を降ろしていたトラックに襲撃をかけたら？
…その結末が今のこの状況である。
「クッソ、無駄にしつこい奴等やな」
「へいへ〜い。行ってきますやん」
「…変な事すんなよ、特にこれ以上佐野に変な事教えんなよ」
「ややなぁ！まっさん、俺と何年の付き合いなん？教えへんよそんな事〜！」
助手席に座っていた男──小島は、慣れた様子で窓から外へと飛び出す。
「前科があるから言うてんねやんか…」
どうやらそんな彼のボヤキは届かなかったらしい。
開けられた窓からぶわりと入ってきた風の音にかき消されたそれにこのトラックの運転手──正門は呆れたように溜息をついた。
あぁもう、と半分苛立ったようにセブンスターを取り出し火をつける。
このタイミングで煙草を吸いだす彼も彼だが、こうでもしないとやっていられないようだ。
背後で派手な爆発音が聞こえる。まただ。また小島が暴れたのだろう。
最早慣れ切ってしまった自分が1番怖い。
規定スピードを超越した彼のトラックは走り続ける。
今日はどれだけかかるのやら、と半分諦観したように彼はアクセルを踏んだ。
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みるく飴(プロフ) - 前の作品から湊都さんの作品が大好きでした！ずっと読み終わってははじめから繰り返して読んでいます。また読めるなんて、すごく嬉しいです！！更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年9月2日 21時) (
レス) id: 77a90c92a1 (このIDを非表示/違反報告)
MaKoto(プロフ) - ３〜４年前、湊都さんの作品の虜になっていたものです。世界観がすごく大好きでした。それがまた読めるなんて。あいつらがメンバーを引き連れて私の青春を再び持ってきた！と言う気持ちでいっぱいです。湊都さんおかえりなさい、と言わせてください（;;） (2020年9月1日 17時) (レス) id: 6b870afe19 (このIDを非表示/違反報告)
fuotomi(プロフ) - はじめまして。私はSnowManとジャニーズWESTのファンですが関西jr.ではAぇgroupを応援しているのでAぇgroupのドリーム小説を書いてくれて嬉しいです。更新頑張ってください。 (2020年9月1日 0時) (レス) id: a747352775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年9月1日 0時
