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事の始まり ページ2

あーあ。失敗失敗。

私は、学校からの帰り道、心の中で大きなため息をついた。

私はかなりのネガティブ人間だと思う。
だから、6年生になったら、
初日、『ポジティブな雨羽向日葵』として
振る舞おうと決めていたのだ。
振る舞うのは大成功!これで
予定通りに事が運ぶかと思っていたら、
事の成り行きで
なんと、あの【ポジティブ】【陽キャ】【仲良し】と
三拍子揃った、スクールカーストトップのグループ、


mokoa(モコア)


というグループに入ってしまった。
これは想定外。
このグループ名は、
【萌亜】【胡夏】【亜胡】
の頭文字をとったもの。
私が入って、グループ名が


mokohia(モコヒア)


に変わったのは言うまでもない。

ん??
そんなカーストトップの陽キャグループに
入れたなんて幸運??
もっとポジティブを学べる??
そんな簡単な問題ではない。
こんなグループに入ったからには、
ポジティブを演じ切らなければいけなくなった。
う〜ん。荷が重い。

「ねえ!向日葵〜??どうしたの??ボ〜ッとして。」

このグループ、いや、学年一可愛い、
亜胡に話しかけられて我にかえる。
まさかこんなネガティブなことを考えていたとは言えない。

「え??帰ったら宿題捨ててやりたいな〜って思ってただけ!」

なんて嘘をつく。

「あ〜それな…捨てたい。跡形もなく燃やしたい。」
「いや火事になるっしょ」
「え〜もういいじゃんこの際」
「燃えろ!燃えろ!燃えろ!」
「www」

って感じで会話する。
これが陽キャの常なのかあ〜なんて思いつつも
みんなに合わせる。
たまたま通りかかった先生が、

「皆さんで放火する気ですか??」

と言った。
なので、正直にみんなで

「いや〜宿題が燃えたらどれだけ楽かって話を…」

って言ったら、

「先生も子供の頃はそんなことも思ったものです。」

と、微笑みかけて帰っていった。

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作者名:魔理亜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年1月24日 14時

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