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あの打ち合わせから1週間。
新曲のレコーディングのために、二階堂と2人事務所のレコーディングルームをセッティングしていると、入口から
「きたやん、ニカ、あとどんくらいかかる?」
と、宮田が顔を覗かせた。
時計を見ると、予定していた時間よりも早く、
「今日は巻きだったの?あと5分くらい待っててよ」
「はいはーい。玉からやるらしいから伝えとく。」
そういって控え室の方へと戻っていた。
「3人仕事で巻きって珍しくない?雨降りそー」
「バカお前二階堂、それ絶対本人の前で言うなよ?」
「言わないよー。さすがに怒られるって」
そういってケタケタ笑う二階堂と口と手を動かしながらセッティングを終え、後は専門のスタッフに任せ部屋を出てデスクに戻ろうと廊下を歩くと、階段の前で藤ヶ谷とウチのレーベル所属のタレントが2人で親密そうに肩を寄せあって話していた。
少し過ぎたあたりで、二階堂が
「ガヤさんまたやってるよ。
わったーにバレたら大激怒って話なのに、よくやるよねー」
なんて、大して興味もなさそうに呟くから
「んまあ、痛くも痒くもねぇんだろ」
なんて思ってもないことを何事もないように発した。
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作者名:mr | 作成日時:2021年5月25日 18時