はじめての喧嘩 5 ページ28
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「私がやることを見守ってて欲しい。
たぶん紫耀は私のことを考えて言ってくれてるのかもしれないけど、私も大人だしそんなに過保護にしなくても大丈夫だよ。
もし紫耀に助けて欲しいことがある時はちゃんと素直に言うように頑張るから。
私が話したいことは終わりだから紫耀の番だよ」
『…………一つ約束して』
「うん」
『俺のこと嫌いにならないで』
涙目でこちらを見てくる紫耀。
「大丈夫だからちゃんと話して?」
ベンチシートで触れ合っていた小指を
そっと5本の指で包み込んだ。
『付き合い始めの頃、Aちゃんが俺に合わせようとした時覚えてる?』
「うん」
『あれさ、俺に嫌われたくないからだって言ってたじゃん。
俺もAちゃんが俺から離れていかないようにやってたんだよね』
「そっか」
『俺自分に自信がない。
だからAちゃんが他の人にいっちゃうのが怖くて色々縛り付けるようなこと言っちゃった。
もういいやってすぐ逃げたのは
それを言ったら嫌われるかなって思ったから』
「………同じだったってこと?」
『うん。過保護にしたのもそれ。
嫌われたくないし、離れて欲しくないから。
でも逆効果だったんだなって言われて分かった。
ごめん』
「紫耀」
『ん?』
「おいで」
ぎゅーっと抱きついてくる。
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作者名:凛 | 作成日時:2020年7月11日 23時