はじめての喧嘩 3 ページ26
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その言葉にカチンときて
「元彼は奥さんが迎えに来てくれるからってたまたまそこにいたから話してただけ。
友達は高校の時にいつもいっしょにいた女の子。
それがなにかいけなかった?」
『いいとかダメとかじゃなくて』
「そんなに信用できない?」
『だから違うってば』
「でも紫耀が言いたいのはそういうことでしょ?
可愛い服は着るなとかさ、袖のレースぐらいいいじゃない。
別に誰も気にしないよ?」
『……もういいや』
「さっきもそうやって逃げたよね?
逃げても解決しないと思うけど」
どんどんヒートアップする頭の中。
タイミングがいいのか悪いのか赤信号で止まる車。
「ごめん。
私アルコール入ってるし、冷静に紫耀と話せないから降りるね」
『え、Aちゃん。待って』
シートベルトを外してそのまま車から降りた。
「ごめん。また連絡する」
歩道に上がると、車道の信号は青になって紫耀の車が遠くなっていく。
ここからなら歩くとどんぐらいなんだろ。
頭も冷やしたいからスマホの地図どおりに歩き出した。
慣れないワンピース
パーティー用のピンヒール
さすがに歩きづらい。
手に持ったままのスマホは
さっきから通知を知らせるバイブが鳴りっぱなし。
表示されるのは紫耀の名前。
紫耀今どこ
紫耀電話出て
紫耀ごめん
紫耀に謝って欲しいわけじゃない。
ただ私がやることを見守ってて欲しいだけ。
あ、私がそれを伝えないと紫耀は分からないか。
少し冷たい夜風が冷静さを取り戻させてくれた。
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作者名:凛 | 作成日時:2020年7月11日 23時