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『ジェミナ･･･』
JM｢ちゃんと治して帰ってくるからさ･･･その時は、Aがそのブレスレットを俺の腕に付けてよ｣
ジェミンがいつものように笑うから、僕はただ抱きしめることしか出来なかった。
JM｢あ〜ぁ、Aのこの温もりも匂いも、しばらくお預けかぁ。今はAのこと独り占め出来るし、思う存分堪能しなくちゃね〜♡｣
ナナちゃん化したジェミンは、僕の首元に顔を埋める。僕は抱きしめる力を少し強めた。
JM｢ナナがいないからって練習し過ぎちゃダメだからね｣
『･･･うん』
JM｢あ、今間があった。ちゃんとジェノたちに俺の代わり頼んであるから｣
『え』
JM｢ちょーっと目を離してるとすぐ練習に没頭しちゃうんだから。世話が焼けるよね〜｣
『ごめんなさい･･･』
JM｢でもAのそういうところも可愛い♡｣
『ありがと･･･？』
JM｢･･･たまには連絡してね。じゃないとナナ拗ねちゃうから｣
小さめの声でそう言うナナちゃん。彼がどんな表情でこの言葉を呟いたのかは、顔が隠れてしまっていて見えないけれど、そんなの見えなくたって分かってしまう。声が少し震えていたから。
『絶対する。毎日しちゃうかもしれない』
JM｢あはっ、Aからなら大歓迎だよん♡｣
僕がそう言えば、またいつも通りの調子に戻る。
普段あまり喜怒哀楽の哀を表に出さない彼だから、今くらい何も気にせずさらけ出して欲しいところだけど、きっと何を言っても彼はそれをしないのだろう。
しばらく抱きしめ合っていた僕たちは、名残惜しくも離れる。ジェミンは残りの書類を片付けなきゃいけないと、また机と向き合った。僕はこの後の予定はもう無いので待っていようと思ったが、それは｢Aは普段から休む時間少ないんだから帰って寝て｣と断られた。
『ジェミニの邪魔はしたくないけど･･･僕はもっと一緒にいたい』
JM｢アイゴ、キヨウォ〜♡｣
ジェミンはもう一度席を立ち、僕に近付くと･･･
“チュッ“
『ッ！』
僕の額にポッポをした。
JM｢その気持ちだけで、俺は嬉しいよ。･･･じゃあね｣
『あっ、ジェミナ！』
僕の頭をポンポンと撫でると、背中を押して部屋から押し出し扉を閉める。
一人廊下に残された僕は、右腕に巻かれた鈍く光るブレスレットを撫でるしかなかった。
僕×後悔 end.
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作者名：ryo | 作成日時：2022年8月6日 16時
