検索窓
今日:12 hit、昨日:11 hit、合計:71,165 hit

悪夢の再来4(バ/カップリング無兄妹愛) ページ25

『これ…おにいちゃ、『シオン…!!すまない、本当に…』お兄ちゃんのせいじゃないよ…大丈夫』
怪我のことを聞こうと思ったのに、抱きしめられて謝られてしまった
違うよ。お兄ちゃんのせいじゃない
僕が、決めたことだ

だから…

『本当に大丈夫だから、そんな顔しないで?』
『せめて、あいつの始末は俺がやる。
お前はもう手を汚さなくていい』

お兄ちゃんの目線を辿ると未だに苦しんでる男の姿
本当に感染者にしか効かないんだなぁ、なんて思ってたら僕の手に握られてるハンドガンを取られてしまった

『耳、塞いでろ』
『え…うん……』

小さく囁かれる言葉
別に、今更音を聞いたところで何ともない
そう思いながらも、素直に従った
お兄ちゃんにギュッと抱きしめられる
目の前にお兄ちゃんの身体があって、周りは何も見えない
やがて遠くで音がした
そしたら開ける視界
思わず兄を見上げた

『終わったぞ』
『うん…お兄ちゃん、ひとつ。ひとつだけ、わがまま言っていい?無茶なのも、きっとダメなのも分かってるけど…』
『チームが突入しないうちに運び出すぞ…今度こそ、弔ってやりたいんだろう?
お前の両親にも、俺は伝えなきゃならんこともある』
『…うん、ありがとう』

これは僕のわがままだけど
ただの独りよがりのものだけど
お兄ちゃんは言いたいことが分かったみたいで、僕が言いたかったことを全部言ってくれた
別の部屋にあったシーツを持ってきてくるんで、お兄ちゃんが2人を抱えて運び出す
お兄ちゃんに引き取られてから、形見だけを入れたお墓を作った
両親を火葬して、骨をそこに入れようと思ってる
そう話すとそうだな、と一言返ってきて火葬場は近くにあったか?なんて。たしかにほとんど土葬だから、火葬場はほぼないけれど…一度感染してるから土葬は危ないよね…
ようやく見つけた火葬場に預けると数日後だと言われたから、それを了承して家に帰ってきた

その日の夜
やっぱり悪夢を見た
ラクーンの炎に焼かれる夢
襲いかかってくる両親を撃つ夢
そして、恨み言を言われる夢

『っ!!!』

飛び起きて、深呼吸をする
夢だとわかってる。けれど、体は震えていて
人肌が恋しくなって、部屋をでた
目的の部屋の前もう寝てるかな、とゆっくりとドアを開けるとベッドライトの明かりで本を読んでるお兄ちゃんの姿
お兄ちゃんは寝るときシャツを着ない
今日も着ていない
寒くないのかな…そんなことを思いながら、声をかける

悪夢の再来5(バ/カップリング無兄妹愛)→←悪夢の再来3(バ/カップリング無兄妹愛)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
設定タグ:バイオハザード , レオン , 短編集   
作品ジャンル:SF
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:えんか | 作成日時:2019年7月2日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。