悪夢の再来3(バ/カップリング無兄妹愛) ページ24
『ただの研究材料ですよ?他人の命なんて、ね
彼らには素質があった
そして恐らくは君にもあるはずだ
君が私の手を取ってくれたのなら、君の今の家族を解放してあげよう』
『なっ……』
その提案に、お兄ちゃんを見る
ダメだ、やめろと叫んでいた
でも…このままじゃ助ける方法が見つからないかもしれないから…
僕が、我慢すればいい
それだけで、大切な人が救われるのならば…
ゆっくり男に歩み寄る
『ふふ…いい子ですね』
『…そう見えるのなら、アンタも存外チョロいよね』
ぱぁん
男の膝に1発打ち込む
悲鳴をあげながら崩れ落ちた
男を見下ろして懐からもう1つ、ウイルスの入った瓶を取り出した
『これってさ、生きた人間に使ったらどうなるんだ?』
『…え?』
『いや、だから。今のあんたみたいに、生きた人間の体内にこいつが入ったらどうなるか聞いてんの』
『そ、それは…』
『まぁいいや、あんたで試そうか。他人の命を研究材料だなんて言ってるのなら、その言葉が自分に返ってきたところで文句ないもんね?』
やめてくれと言うそいつの言葉を無視して、まず掌を撃ち抜く
その掌の上に瓶を投げて、踏みつけた
瓶が割れた音と瞬間、なんだか変な匂い
男は悲鳴をあげてのたうちまわってる
うるさいなぁ、なんて思いながら眺めてるけど…面白くもなんともないな、うん
少し静かになったと思ったら
“助けて、死にたい、殺してくれ”
か細い声で呟いていた
なんて都合のいい奴なんだろう
『それはアンタに殺された全員の痛みだ。苦しみだ。遠慮しないでもっと味わいなよ
足りないなら追加してあげようか
幸い、君もっと隠し持ってるみたいだし』
ポケットの中を探る
目当てのものはどこだろうそう思ってた時
『シオン!もうやめろ!!』
『え……』
お兄ちゃんに、怒鳴られてしまった
『それ以上はダメだ。奴と同じになるな…。お前が今やってることは、やろうとしてることは…そいつと同じだぞ…』
『っ…ぁ、…!……ねぇ、あの檻と拘束具、どうやったら外れるの?ちゃんと答えてくれたら楽にしてあげる』
開け方を聞き出して、檻を開けて拘束具を解いた
かなりもがいてたんだろうか
手首は赤く、血が滲んでしまっている
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作者名:えんか | 作成日時:2019年7月2日 10時