62話 ページ30
もう片方を解除し終え、太宰にピンを返しながらAは質問した。
「で、私はどうすればいいの？」
「ん、どうするって？」
「この後の居場所。太宰さん、しばらくここから動かないんでしょう？」
つまり、またしばらく一人で行動していてねということだ。いくらマフィアの身内ですよ、と証明してくれるこのバッジを付けているとはいえ、あちこち歩きまわるのは避けておきたい。歩き回れば歩き回るほど、誰かとばったりという確率は上がってしまう。潰せるリスクは可能な限り潰しておく。ハイリスクハイリターンよりも、ローリスクローリターンだ。マフィアにいるからにはどこにいてもハイリスクな気がするのは否めないし、一人でいる間はリターンが何もないけれど。
「流石に自由行動は危険性が高いでしょ」
「ああ、うんそうだね。場所は決めておいた方がいいか」
場所を決めておけばAも待機中に不要な移動をする必要がなく、また、太宰もAの居場所が分かっているため後で合流するのが容易になる。必要な情報を頂戴したら素早く退散する、そのためにも合流は迅速に行われた方が効率的だろう。
「希望地は？ Aの希望に合わせるよ」
そう言ってもらえるならばありがたく選ばせていただこう。できれば行くのが楽なところがいいな、と過去の記憶を掘り起こして、どこがいいかと脳内検索する。敦の情報がある場所に行っても、鍵がA一人では開けられないのでそれは却下。となると、どこか別の場所で大人しくしているべきだ。合流するまで動かないというのであれば、人が寄り付かず、誰かに見つかっても誤魔化しが効くところ、というのは十分条件。これが満たされないなら、一点に留まっておくのは危険である。さらに付け加えるならば、もしも知っている人物と出くわしたときのための逃走ルートが確保されている場所だとなお良し。かつ、敦の情報があるという場所が近くにあると最高だ。
いや、そんな都合のいい場所はないか。これでは、猫の経営する料理店よりも注文が多い。条件のいくらかを満たす候補地を何箇所か決め、そこを点々とした方が安全だ。
Aがそう説明すると、太宰は首をかしげて「うーん、一応、ないことはないけど」と言った。
「え、あるの？」
Aが思わず聞き返す。すると、太宰はにっこりと笑った。
「A、小さくてお空を飛べる、妖精さんを見たくはないかい？」
「……はあ？」
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麗(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！！ (2021年5月22日 17時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
りか（かりんとう）(プロフ) - わー！！！！！更新されている……めちゃめちゃ嬉しい、、、、、これからも応援しています！！！ (2020年4月30日 22時) (レス) id: f31ecb66db (このIDを非表示/違反報告)
こよひ(プロフ) - りか（かりんとう）さん» 遅くなってしまって申し訳ありません。お読みいただき本当にありがとうございます。私事なのですが、来年受験のためしばらく更新をするのは厳しいかもしれません。気長にお待ちいただければ幸いです。 (2020年1月21日 15時) (レス) id: 38c890fd29 (このIDを非表示/違反報告)
りか（かりんとう）(プロフ) - とても面白いです！！続きがとても楽しみです。更新まってます……！！ (2020年1月2日 23時) (レス) id: f31ecb66db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こよひ | 作成日時：2019年5月2日 23時
