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Trigger〜引き金〜 ページ9

「偶然ですね。またこんな所で会うなんて」

(人1)くんはニコニコしながら言った。

「そうだね。ここへはよく来るの?」

私がそういうと、(人1)くんは首を振った。

「今日は運がよかったんです」

「?」

私は、(人1)くんが言っている意味が分からなかった。

「そういえば、どうしたの? その足。骨折?」

これは、私がずっと気になっていたことだ。

冷静な(人1)くんも、こんな怪我をするのか。

「ああ。これはね、ちょっと病気で・・・動かなくなっちゃったんです」

私は耳を疑った。病気?(人1)くんが?

「筋萎縮性側索硬化症っていうんです」

「筋萎縮性側索硬化症?・・・ってどういう病気なの?」

私が聞くと、(人1)くんは少し首をかしげた。

言いたくないんだと、すぐに分かった。

が。

「2人で何話してんのぉ?」

この声は―・・・「桃音ぇ・・・」

「空気を読みなさいよ。あんたは」

「空気にはなんにも書いてないよぉ〜」

私は桃音に初めて殺意を抱いた。

「んで、どういう病気なわけ?」

「え?」

「ちょっと、桃音っ」

どういうつもりなんだ。

案の定、(人1)くんもびっくりしている。

「・・・えっと」

「言わなくってもいいんだよっ」

私が止めに入ったが、(人1)は「いいです」と少し笑って言った。

(人1)くんは、桃音のようなタイプが苦手なのか、小さな声で

「筋肉がどんどん動かなくなって、最終的には呼吸筋麻痺で死ぬんです」

と言った。

「「え」」

まさか、私達ヤバイこと聞いちゃったんじゃ・・・

「ごめんっ」

私はとりあえず、気まずい空気をどうにかしようと謝った。

「いいんですよ。好奇心旺盛なのはいいことです」

(人1)くんはまるで人事のようにへニャッと笑って言った。

「桃音ぇ・・・」

隣りで呆然としている桃音を睨む。

でも、しょうがない。桃音はこんなこと言われるなんて思ってなかった

のだ。もちろん、私も。

初恋が実らないって言うのは、本当だ。


<最後の引き金が引かれた>

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song(プロフ) - じゃ、英莉で。よろしくお願いします! (2010年12月16日 15時) (レス) id: c1ec668587 (このIDを非表示/違反報告)
英莉(プロフ) - 英莉か、えりぐらいで♪ (2010年12月16日 14時) (レス) id: 3522842da4 (このIDを非表示/違反報告)
song(プロフ) - ありがとうございます☆普通にsongでいいですよ。なんて呼べばいいでしょうか? (2010年12月16日 13時) (レス) id: c1ec668587 (このIDを非表示/違反報告)
英莉(プロフ) - 完結おめでとう!友希ありがとう♪なんて呼べばいい? (2010年12月16日 11時) (レス) id: 3522842da4 (このIDを非表示/違反報告)
song(プロフ) - そんなこと言われたら・・・死にます。グハァッ! (2010年12月11日 15時) (レス) id: 63d06f753e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sea | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/crossroad/

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