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side F 18 ページ37

「で、ここ?」


「うるせぇ、元はお前の発案だ」



結局個室といえば ここ

男子トイレの一番奥の個室で
一週間ほど前と同じように 顔を突き合わせる俺たち




「なに?撮影の合間にこんなとこに押し込めて」


「いや・・」



北山の 言いにくそうな表情になんとなく
よくない話なのかと 胸が騒いだ



「玉が・・感づいてる」


「え?」


「俺たちのことだよ」



玉は ふわっとしているようで結構鋭い




「俺たちのふるまいから 違和感を感じたみたいで、さっきみつだよねっていわれた」


「は?」


「最後は、冗談っぽく言って笑ってたけど・・多分ほかのメンバーも時間の問題だろ」




早く何とかしねぇとな


そういって考え込む北山もとい俺の姿

最近は身体が入れ替わってしまったことに 少しずつ慣れて来るという変な錯覚に陥っていた

でも いつかは戻らなきゃいけない





「早く、戻りたいよね」



その言葉を 先日と同じようにつぶやいた



「まぁ・・な」



戻ったら 俺たちが一緒にいる意味は

もうなくなってしまう?



同じ部屋に帰って

同じように飯食って 笑って

同じベッドで 体を寄せて眠る日も もうなくなってしまう?






「ふ、ふじがや?!」



気づいたら 頬を伝うのは
生暖かい一滴



「わ、わるい・・」



普段 涙なんて見せない
なのに なんでだろう




この時間には限りがある

わかっていたけど 何故かそんなことを思うと

自然と涙がこぼれた




「ごめん・・わかんねぇけど 早く戻れるように・・」




北山は俺の涙の真意を知らない
俺の気持ちすら 知らない


知らないまま 今なら 諦められる?




北山の中に入るまで 知らなかった


俺が 北山といると こんな表情をして笑うことも

照れてうつむく表情も 全部
お前の中から見た景色は いつもよりずっと





キレイだった








「ねぇ・・」


手の甲で 涙をぬぐった

あんまり泣くと、北山の目が腫れちまう





「抱きしめて?」

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ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» はじめまして、ありがとうございます!少しずつ素直になっていく二人に、今後もご期待ください^_^ (2019年3月4日 23時) (レス) id: 27a8873f76 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - ピンクピーチさまはじまして!素敵な作品で更新が待ち遠しいです!もどかしいふたりが少しずつ近づいていくのにドキドキしながら更新楽しみ待っています! (2019年3月4日 21時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年3月2日 17時

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