side F10 ページ21
北山宏光となってはや数日
まさか、俺としてではなく、北山としてこんなことになるなんて
「おー!久々やな!」
指定された店へ行くと、大倉くんがニコニコと座っていて、向かいの席へ手招きされる
「お、おぅ」
北山と、大倉くんが仲がいいのは知ってるけれど、二人が普段どういうふうに接しているかなんて、知らない
やっぱり、断るべきだった?
でも、北山の懇願する表情が、俺の姿を通しても透けて見えて、なんだかいいよっていってやりたくなった
「とりあえず何食うん?お前はやっぱり…」
「あー、サラダと刺し身」
「はぁあ!?!」
大倉くんの声量に、思わず俺が顔を上げる
「お前、具合悪いんちゃう?いっつも肉肉うるせーやん?それともなにか?減量せなアカン仕事でも来たか?」
心配そうに俺の顔を覗き込む大倉くんがなんだか不憫で、致し方なく、
北山の好みっぽい肉々しいメニューをいくつか選ぶ
「カンパーイ」
対して強くもない酒
だけど、北山が好きそうな酒をとりあえず注文
あぁ、いろいろボロが出そ…
とりあえず当たり障りがないような、お互いの仕事の話をしてやり過ごす
頼んだメニューと酒を嗜みながら、会話にそこそこ花が咲いたことに安堵した
「そ、そうだ。お、大倉…なんかこの間元気なかったみたいだけど、なんかあった?」
北山の指示どおりに聞いてみる
「…」
黙って箸を止めた大倉くんに、思わず俺も箸を止める
あれ、これ以外にやばいやつ?俺が聞いてよかったのかな??
「いや、お前どうなったのかと思ってな」
「は?なにが?」
「惚けんなや。藤ヶ谷とのこと、どないしたんかなって俺も気になってたんやで」
「は?俺?!」
「?」
しまった、思わず予想外のところから自分の名前が出たことで反応してしまった
「お前、いつまで本当の気持ち隠したまま、そばにいる気なん?しんどくないんか?」
大倉くんから聞かされる言葉に、
なんだか胸の奥が騒がしくなっていくのがわかった
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ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» はじめまして、ありがとうございます!少しずつ素直になっていく二人に、今後もご期待ください^_^ (2019年3月4日 23時) (レス) id: 27a8873f76 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - ピンクピーチさまはじまして!素敵な作品で更新が待ち遠しいです!もどかしいふたりが少しずつ近づいていくのにドキドキしながら更新楽しみ待っています! (2019年3月4日 21時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年3月2日 17時