side K 17 ページ28
「お前さ、無駄にべたべたしすぎなんだよ・・」
逸らした視線を思わず戻すと そこにあった
藤ヶ谷から向けられた鋭い視線
軽くため息をつくと 藤ヶ谷の語調が強まった
「あのさ・・誰とでも仲良くするのは結構だけど、他人との距離が近すぎるんじゃねーの？！っていうか近い！！
そもそも、お前はだれにでも愛想振りまきすぎっ！！そんな風にされたら、相手だって勘違いするだろ！
お前にその気がなくても、相手に気を持たせて、傷つけることになるんだよっ・・！第一そんなにべたべたべたべたして、
見てるこっちの身にもなれっ！
お前の様子見て俺がどんなに・・・！！」
普段無口な藤ヶ谷が 信じられないの勢いでまくしたてるから 思わずフリーズしてしまった
けれど、言われっぱなしは俺の性分じゃない
「お・・お前だって、横尾さんとべたべたしてんじゃん！！！」
「俺と渉は友情なの！それ以上でも以下でもない！！！！！」
「お、俺だって玉とはメンバーだし、友情だし!!!」
「好きとか言われてるだろっ！！」
「そ・・それは・・・っていうか、お前言わせておけば、俺のこと好きかって言いやがって、俺が誰と仲よくしようが勝手だろうがっ
藤ヶ谷にどうこう言われる筋合いねーよ！！！」
売り言葉に買い言葉
ただ カッとなって 熱くなっただけ 本当はそんなこと思ってないくせに
気づけば お互いに息が切れそうなほど大声で 叫びあったのに
俺の一言で 一瞬にして先ほどの冷たい沈黙が訪れる
「・・・そうだよな、北山にとって、俺は所詮ただのメンバーだよな・・」
「ちがっ・・そういう意味じゃっ！」
今更取り繕っても 一度自らの口から出た言葉を なかったことにできるわけない
でも 藤ヶ谷が 見たこともないほど 悲しい目をしたことだけは はっきりとわかった
「ごめん・・藤ヶ谷、言いすぎて」
「お前の！！」
めずらしく 藤ヶ谷が俺の言葉を遮った
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2019年2月19日 10時
