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side K 1 ページ1

「みつのは〜相変わらず小っちゃくてかわいい!」


「ちびっていうなぁ!!!」




真っ白な 衣装に袖を通すと 裾がふわりと揺れる

雪や冬を連想させる その美しいシルエット

玉が一番好きだといった白スーツ

白が映える季節になった




夏のツアーを名残惜しんでいたのもつかの間

久々に冬のコンサートをやらせてもらえることが決まった



構成は夏と通じるものを残しつつ

冬を感じてもらえるように 意識して選んだ曲と衣装



鏡の前で 自分の姿を確認する


明日 いよいよスタートだ


一人で気合いに満ちていると それを覗き込んできた玉に 後ろからぎゅっと包まれた





「みつー丈、ちょっと長いんじゃない?」


「ちょうどいいですっ!!」



俺をチビいじりしてくるのはお決まりだけど、長身スタイル抜群の玉が言うと、
もはやいじりを通り越して、結構俺の心に刺さるんですけど?


でも、そんなブラック玉ちゃんもなぜか許されてしまうのが ふんわり玉の特権

なんだかんだ みんな玉には甘い



いや、わかってる


俺もその一人



ゆるふわきらきら王子様には 弱い






「みつ〜抱っこしてあげるっ」


「おろせっ!///」









「・・・ちょっと」


いっつもうるさい楽屋で

そのよく聞きなじんだ 低音ボイスが 静かに響く



「煩くて集中できない」



ソファで読書をしていた藤ヶ谷が
小説越しに鋭い目つきでこちらを窺う



「あ・・わりぃ」



玉に抱き上げられたまま 藤ヶ谷のほうを見ると 無言で本に目を戻した


あ・・目、明らかに逸らされた




夏、俺らのユニット曲は 結構な盛り上がりを見せて

7周年の節目に挑戦した演出 自分たちとしても大成功だと思っていたし

曲中に 近くなる距離に緊張しつつも

ちょっとだけ アイツとの心の距離も近づいて


今までより アイツに近づけたような気がしていたけど



俺の勘違いだったのかな






「がやに、怒られちゃったね」



言葉とは裏腹に うれしそうな玉が

俺の身体に回した手に力を入れた



「おまえはっ!いい加減おろせっ///」





その瞬間 藤ヶ谷の眉がぴくっと動いたのを 俺は知らない

side F 1→



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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年2月19日 10時

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