Last joker brand new world 中編

side Ki ページ26

もともと俺は、縛られるのは好きじゃなかった

一人は自由で気ままだった



誰とも群れず、誰にも懐かず、そんな気ままな野良猫のように
俺は一人が好きだったのに


いつからかな
お前と出会って、アイツらと出会って

俺はすっかり・・一人では生きられなくなってしまった


藤ヶ谷が好きだと気づいてしまった
誰より・・何よりも



今はもう、縛られてもいいかなって
藤ヶ谷の好きなように、束縛して、好きなように抱いてほしい

こんな風に思うのは、きっとお前だから









「おはよ・・」




ボンヤリとした体と頭のまま、その褐色の胸に頭をもたれていると、いつのまにか目を開けていた藤ヶ谷の長い指が俺の頭を撫でながら、そう言った

シーツの替えなんてなかったから、なんとなくまだ、昨日の、それっぽい匂いが鼻をつく





「っ・・そんな、オンナじゃねーし・・」



そう言って悪態をつくと、藤ヶ谷がフフっと笑って、俺の髪を優しく梳いた

気づくと、ぐちゃぐちゃだった体はキレイにふき上げられて、藤ヶ谷の、細くて長い腕の中でふわふわとした時を過ごしていた



いったん離れてしまっても、先ほどまでつながっていたソコは、まだ熱く、熱を帯びているようで体が、熱い

藤ヶ谷に抱かれた全身は、信じられないくらいに甘く、熱くなっていた





「藤ヶ谷・・」




そう呼ぶと、俺の少し上から、ん？と優しいまなざしが降ってくる

切れ長の瞳に、まっすぐと通った鼻筋

引き締まった胸板は、キレイな鎖骨がくっきりと浮かぶ




この身体に、抱かれた


あんなにも、激しく



そう思うと、胸の奥のほうがきゅんとなる

なんだよ、まるで女みてぇじゃん



その、少し厚みのある唇に、自分から唇を寄せて、吸い付くとチュッと音がして、そのまま、また舌を絡め合う

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