side Ki ページ10
「やっぱり」
女子トイレに入ってピンヒールを脱ぐと、案の定かかとの皮がめくれていた
慣れない靴はやっぱり歩きにくい
これだから、女物ってのは・・
あいにく、本物の女子みたいに絆創膏なんてものは持ち合わせておらず、仕方なしにそのままトイレを出た
最悪の事態に備えて、走りやすいようこのヒールは取りはずせるんだけどな、まぁ・・あと少しの我慢だ
アイツ、待たせるとうるさそうだから、と小走りで会場への廊下を曲がった時だった
「っ!」
「あ!」
思い切り、正面から来た男性とぶつかって、当たり負けした俺は、床へとしりもちをついた
「申し訳ない、お嬢さん。お怪我はないですか?」
転んだ俺に、しゃがみこんで目線を合わせて手を差し伸べた端正な顔立ちの男は
「っ・・!」
先ほど、パーティー会場で見た、イケメンな幹部の男
ソイツが、にこりと涼しい笑みで俺のほうを見つめていた
「いえ・・こちらこそ」
「あれ。そういえば、貴女は見かけないお顔だ。今日初めていらっしゃいましたか?」
「・・えぇ」
裏声で、小さく頷くと、男はにこりと微笑んだ
「貴女ほどの美人を見たら、忘れるわけがない。それにしてもなんと愛らしい。雷にうれたような気分です。よければ、僕と一緒に屋上のラウンジへいらっしゃいませんか?
夜景の見えるバーがあるんです。本来我々幹部しか踏み入れない場所だけが・・特別に、ぜひ貴女にご紹介したい」
「!」
男は、歯の浮くようなセリフを並べ、目じりを優しく下げて微笑みかける
これは、狙っていた獲物が自ら近づいてきた
俺、なかなかやるじゃねーか
女装なんてした事ねぇから、ナンパされる側のイロハもわからねぇが・・・
ふと、藤ヶ谷の顔が浮かんだ
だけど、この男に近づければ、闇のマーケットの裏側へつながる糸口が手に入るかもしれねぇ
またとないチャンス、逃すわけにはいかない
俺は、心の中でにやりと笑った
「喜んで」
自信に満ちた表情で差し出された、男の手をきゅっとつかんだ
さぁ、そのしっぽ、捕まえてやる
************************
公開3日で、殿堂入りいただきありがとうございました!!
これからも頑張って更新続けていきます
徐々に物語も盛り上がりを見せていきますので、引き続きよろしくお願いいたします^^
また、ご感想やコメントなどいただけると嬉しいです☆
980人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» ありがとうございます!これからも、彼には活躍を見守っていて欲しいですよね。あと、ウチの作品中でも、見守っていただく予定です(笑) (2020年7月13日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 謎の初老男性の登場見事です!絶対絶命の状況だと思ったのに…こんな風にいつまでも空から見守っていて欲しいですね! (2020年7月13日 1時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» 楽しみにしていただけて嬉しいです!予想を裏切ってハラハラからのスタートで二人をいきなり苦境に立たせてすみません(笑)後には、きちんとラブラブしていただくのでご安心下さい(笑) (2020年7月5日 9時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 続編更新待ってました!ありがとうございます!いきなりハラハラ展開続いてますね。まったりラブラブモードのスタートかと思ってました(笑)続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 8時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます!正体を明かす前から大倉くんに気づいていたとは、流石です^_^他の作品も読んでいただけているなんて、ありがたいです!!本作、これからもハラハラな展開が続きますので、お楽しみください! (2020年7月3日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年6月26日 20時