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side Ki ページ33

「っ・・・ン・・・」




重い瞼をゆっくりと開けると、ボンヤリ明るい気がした


ここは・・・


ふと、見覚えのある天井に視線を動かす


起き上がろうと体に力を入れると、激痛が走った



「ぐっ・・、あぁっ!!」



バフっとそのまま布団に逆戻りすると、おかしいくらいに息が上がった

冷静に見渡せば、そこは俺達が潜伏しているいつものアパートだった


なんで・・・ここに、




「・・ふじがや?」




ふと、足元のほうで、ベッドに寄り掛かる様にして眠っている藤ヶ谷の姿を見つけた




「あ・・きたや・・ま」


ゆっくりと、藤ヶ谷の切れ長の瞳が開く
だけど、その目元には色黒いクマがはっきりと見て取れて、瞼も腫れていた



「北山・・・きたやまっ、よかった・・!」



パチッと、俺と視線が合うと、藤ヶ谷は勢いよく起き上がって、俺の顔を覗き込んだ
不安げな表情に、心の奥がグッと苦しくなる



「よかった・・・もう、俺・・・」

「悪い・・・お前がここに運んでくれたんだ・・」



俺がそういうと、藤ヶ谷は、一層辛そうに顔を歪めて、優しくぎゅっと抱きしめてくれた
藤ヶ谷の香りに包まれて、不覚にも鼻の奥がツンとした



「もう・・こんな無茶すんな・・・」

「悪かった・・・勝手なことして・・」




藤ヶ谷は、一言だって、俺を責めない

だけど、ふと目に留まった、血に染まったままの藤ヶ谷のズボン
もう血が固まって、褐色になっているが、そのおびただしい血液の量に、俺は唇を噛み締めた



藤ヶ谷にも、相当に傷を負わせてしまった

あと少しで・・死んでいたかもしれない

今、こうやって藤ヶ谷が生きているのが、奇跡だと思えるほど

そう思うと、自分の浅はかさに、無性に腹が立った




「藤ヶ谷、お前・・よくあの男から逃げきれたな」


「・・・違う・・。俺じゃ・・ない」




藤ヶ谷は、苦しそうな表情で、絞り出すようにそういうと、昨晩あったことをゆっくりと話し始めた

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 宮玉ニカセン   
作品ジャンル:タレント
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ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» ありがとうございます!これからも、彼には活躍を見守っていて欲しいですよね。あと、ウチの作品中でも、見守っていただく予定です(笑) (2020年7月13日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 謎の初老男性の登場見事です!絶対絶命の状況だと思ったのに…こんな風にいつまでも空から見守っていて欲しいですね! (2020年7月13日 1時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» 楽しみにしていただけて嬉しいです!予想を裏切ってハラハラからのスタートで二人をいきなり苦境に立たせてすみません(笑)後には、きちんとラブラブしていただくのでご安心下さい(笑) (2020年7月5日 9時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 続編更新待ってました!ありがとうございます!いきなりハラハラ展開続いてますね。まったりラブラブモードのスタートかと思ってました(笑)続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 8時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます!正体を明かす前から大倉くんに気づいていたとは、流石です^_^他の作品も読んでいただけているなんて、ありがたいです!!本作、これからもハラハラな展開が続きますので、お楽しみください! (2020年7月3日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年6月26日 20時

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