side F ページ31
「別に・・アンタらのためじゃねぇ」
「ははは、YOUはそう言うと思ったよ・・。お仲間は日本にお留守番かい?」
男性は高くそう笑うと、関西弁の男に北山の錠を解くように命じた
素直に従った男が不服そうにしながらも、北山を解放すると、力なく体がガクッと沈む
「きたやまっ!!」
思わず駆け寄って、その身体を抱き寄せた
「きたやま・・」
ぐったりと目を閉じたままの北山は、俺が体をゆすっても、ピクリとも動かず、だけどその口元からは微かに呼吸音が聞こえる
生きてる・・
その事実だけで、俺は安堵の涙が浮かんだ
「YOUたちとは、今度ゆっくり話したいと思っていた・・またいつでも遊びにおいでよ」
「ふざんなっ!!!」
「まぁ・・今日はあいにく僕たちも忙しいんだ。君たちはそこのエレベータから帰ってもらうとしよう。大丈夫、もう手出しさせないように言っておくよ」
「おいっ!待て!!!」
俺がそう怒鳴ると、関西弁の男と、社長と呼ばれた謎の男性は、ゆっくりとドアのほうへ向かって歩いていった
「大丈夫・・時期にまた、YOUたちとはどこかで会える気がするよ」
「っ!!」
そういうと、男性は姿を消してしまった
「おい、アンタ」
関西弁の男が俺にそう投げかける
「俺は・・アンタらのことなんて認めとらん。次に下手な真似したら・・俺が殺したるわ」
「っ・・」
男はそういうと、俺のほうを睨みながらも、ドアを閉めた
「北山・・」
動かない身体を抱き起こし、痛む左足を引きずるようにして、俺は何とかエレベータに乗りこんだ
「くそ・・」
男たちの言った通り、エレベータを降りると、あっという間に屋敷の裏手にたどり着いた
確かに、誰にも見られず、誰にも襲われずに屋敷の外へ出られた
こんな屈辱は初めてだった
意識のない北山を抱えるようにして、何とか森の中に隠しておいたバイクにたどり着く
北山が振り落とされないように、北山の身体をバイクに積んであったロープで、自分の体とキツく繋いだ
「く、・・」
ジンジンと痛む身体からは、血の気が引いていく気がした
だけど、俺が今こいつを連れて帰らないと・・
その思いだけで、バイクのアクセルを握った
夜の街を、メーターが振りきれるほどのスピードで駆け抜けた
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ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» ありがとうございます!これからも、彼には活躍を見守っていて欲しいですよね。あと、ウチの作品中でも、見守っていただく予定です(笑) (2020年7月13日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 謎の初老男性の登場見事です!絶対絶命の状況だと思ったのに…こんな風にいつまでも空から見守っていて欲しいですね! (2020年7月13日 1時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» 楽しみにしていただけて嬉しいです!予想を裏切ってハラハラからのスタートで二人をいきなり苦境に立たせてすみません(笑)後には、きちんとラブラブしていただくのでご安心下さい(笑) (2020年7月5日 9時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 続編更新待ってました!ありがとうございます!いきなりハラハラ展開続いてますね。まったりラブラブモードのスタートかと思ってました(笑)続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 8時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます!正体を明かす前から大倉くんに気づいていたとは、流石です^_^他の作品も読んでいただけているなんて、ありがたいです!!本作、これからもハラハラな展開が続きますので、お楽しみください! (2020年7月3日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年6月26日 20時