side F ページ20
「っ…くっ…」
「ふじがやぁっ!!!」
聞き馴染みのあるその声が、途切れかけた俺の意識を呼び起こした
(き…た、やま…)
北山の声で、かろうじて開けた目を、見開いた
自身の太腿からはドクドクと大量の血が伝うのがはっきりとわかる
まるでそこから全身の血を抜き取られていくように、体が震えた
『ここには太い動脈が走ってるから、止血しないと危険なんだ』
いつか…玉がそんなことをいった気がする
あれは…初めて北山と出会った日の夜だ
北山に連れられて、初めて玉と宮田に会ったんだ
なぜだろう…そんな昔が妙に恋しくなる
「き…たやま…」
その声は自分でも驚くほど小さかった
顔を上げると、北山がベッドのようなところへ寝かされているのが見えた
ウィッグは外されて、髪が乱れている
手首には、手錠か…?
鎖のようなもので、拘束された身体
裂かれたドレスの胸元と、その上に跨る男を見たときに、俺は頭が真っ白になった
「お前っ…!北山に触るなっ!!」
ぐっと、床を踏みしめたときだった
「ぐっ…う、わぁぁあ!」
後ろにいた、黒服の男が、俺の傷口を思い切り踏みつけた
「藤ヶ谷っ!!」
涙声の北山が、北山の上に跨ったままの男に食ってかかっているのが見えた
「おいっ!やめさせろっ!!」
ズキズキと痛む足を抑えながら、それでも床を這う
北山を…早く助けなければ
このは状況は…完全に、俺の誤算だ
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ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» ありがとうございます!これからも、彼には活躍を見守っていて欲しいですよね。あと、ウチの作品中でも、見守っていただく予定です(笑) (2020年7月13日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 謎の初老男性の登場見事です!絶対絶命の状況だと思ったのに…こんな風にいつまでも空から見守っていて欲しいですね! (2020年7月13日 1時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» 楽しみにしていただけて嬉しいです!予想を裏切ってハラハラからのスタートで二人をいきなり苦境に立たせてすみません(笑)後には、きちんとラブラブしていただくのでご安心下さい(笑) (2020年7月5日 9時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 続編更新待ってました!ありがとうございます!いきなりハラハラ展開続いてますね。まったりラブラブモードのスタートかと思ってました(笑)続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 8時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます!正体を明かす前から大倉くんに気づいていたとは、流石です^_^他の作品も読んでいただけているなんて、ありがたいです!!本作、これからもハラハラな展開が続きますので、お楽しみください! (2020年7月3日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年6月26日 20時