Last Joker brand new world 前編

side Ki ページ18

「ッン…！ンン、」

男が俺の上にまたがってきて、唇を合わせてきた

抵抗しようと体をよじってみても、カチャカチャと金属音が鳴り響くだけ
鉛でもつけられたかのように、四肢は重く、力が入らない


「なんや…感じてるくせに」

男はそう言って、再び強引に唇を合わせてくる
くちゅりという水温とともに、口内が犯 されていく


「ふっ、ん…や、め、」

顔をそむけると、俺の脇腹をゆるゆると撫でていた男の手が、俺の胸の突起をきつく摘んだ



「っ…ゃぁ！！！」

「なんや、エッろ…」


男の顔から目を背けて、ぎゅっと目をつぶると、再び強く、唇を吸われる


「ふ、ンん…」

息継ぎもままならず、頭が酸欠になったようにぼんやりとしてくる

口端から、ダラリと唾液が伝うのがわかった


「っん！んんーっ！ゲホッ、ゲホっ！」


合わせられた唇から、冷たい液体が流れてきて、思わずむせる

アルコールの味に、先程飲まされた薬入りの酒を思い出す


「あー、大丈夫や、ただのウイスキーやから」


男はそう言うと、ニヤリと笑う

だけど、男の言葉とは裏腹に、視界がグワンっと揺れた


「っ…ぁ、」


頭にモヤがかかったようにぼんやりしてくる

「ま、アルコールいうても、さっき飲ませた薬と相性最悪らしいからな…どや、気分は？」


身体がふわふわとしてくるのに、怖い
働かない頭で浮かんだのはやはり、藤ヶ谷の顔だった



「アンタ…マジでいい体してるやないか…」


男の手が、スルリと下半身に触れる
そのまま、身体の中心をなぞるように触れられる

それでも、そこが疼くことはない

ゆるゆると撫でられるも、そこが雄を主張して象ることはない



「っ…やっ…」

「なんや、優しくしてほしいんか？」



違うっ…

嫌だ

藤ヶ谷にすら、まだ…

触れられたことのない身体




藤ヶ谷とならって…


最初に、体を明け渡すのは、藤ヶ谷がいい…




「ハハッ…良い顔して泣くんな。堪らんわ」



気づくと、頬に水滴が一筋伝っているのがわかる

男は何が可笑しいのか、そう言うと、俺の顔を固定して強引に舌を差し込んでくる

生温い温度と、感触に、嫌気がさす

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