side Ki ページ13
「どうぞ」
壁一面に配置された水槽の中、熱帯魚が優雅に泳ぐ
差し出されたカクテルは、火のように赤い色をしていた
氷がカラン、とキレイな音で溶けて、誰もいない薄暗いホールによく響いた
「貴女のドレスによくお似合いだ」
カウンターテーブルの隣に座った男が呟く
いちいちキザなセリフを吐くその男は、大きな瞳と高い鼻、長身なスタイルを持ち、間違いなくイケメンだけれど、藤ヶ谷とはまた違ったタイプのイケメンだなと、どうでもいいことを考えながら、差し出されたグラスに口をつけた
甘ずっぱい味が口内にひろがる
「貴女は、どうして今日ここへ」
「父の、付き添いで・・」
反対のガラスには、都会のネオンが煌めいているのが見えた
あの夜景を横目に、藤ヶ谷と初めてこの街を走った日を思い出す
それは、ごく最近の事なはずなのに、なぜだか懐かしい
その景色を遠くに見ながら、ふと男と視線合わせる
自分の素性を、社長令嬢という体で、でっち上げた
身分がバレないように
藤ヶ谷のこともある
そもそも、ナンパされた相手に男連れだと明かすのは、きっとマイナスだろう
「興味のある品は御座いましたか?」
男はどこまでも紳士的で、下心の欠片も見えない
本当に、ただ俺と酒を飲むために、ここへ連れてきたのか
まぁ男の俺としては、迫られて、ベッドインまでされちゃぁ、バレるから困るんだけどな
いや、意外と・・・
うん、やっぱりどう考えても、無理だな
耳下に忍ばせたインカムのスイッチは、さっきこっそりと切った
きっと藤ヶ谷は今頃心配しているかもしれない
だけど、リスクをとってでも、この男のしっぽをつかみたかった
「私は、詳しくないですが・・あなたたちは随分と、珍しい銃をお持ちなのですね」
「まぁ、我が社はそういった類のものに力を入れておりますからね」
男はにこりと微笑むと、グラスを傾けた
「もし、ご興味があられるのなら、コレクションルームをご案内しましょうか」
「え、いいのですか?」
わざと、上目遣いで甘えた声を出してみた
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ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» ありがとうございます!これからも、彼には活躍を見守っていて欲しいですよね。あと、ウチの作品中でも、見守っていただく予定です(笑) (2020年7月13日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 謎の初老男性の登場見事です!絶対絶命の状況だと思ったのに…こんな風にいつまでも空から見守っていて欲しいですね! (2020年7月13日 1時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» 楽しみにしていただけて嬉しいです!予想を裏切ってハラハラからのスタートで二人をいきなり苦境に立たせてすみません(笑)後には、きちんとラブラブしていただくのでご安心下さい(笑) (2020年7月5日 9時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 続編更新待ってました!ありがとうございます!いきなりハラハラ展開続いてますね。まったりラブラブモードのスタートかと思ってました(笑)続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 8時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます!正体を明かす前から大倉くんに気づいていたとは、流石です^_^他の作品も読んでいただけているなんて、ありがたいです!!本作、これからもハラハラな展開が続きますので、お楽しみください! (2020年7月3日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年6月26日 20時