side Ki ページ8
「いらっしゃいませ」
街の中心から、かなり外れた場所にそびえたつ、巨大な屋敷
大きさもかなりのものだが、都心の高層ビルにも負けないくらいの高さを誇るその建物は、こんな人里離れた場所にはどう見ても不釣り合いだ
周りの木々に隠れるようにしてそびえたつも、十分にその財力と権力を示している
正面の門をくぐると、ロータリーには外車が次々と横付けされていく
地下へと案内されると、屈強な何人もの黒服が、客たちを見定めていた
訪れる客たちはみな、ドレスコード通り、高そうなタキシードやシルクのドレスを身にまとい、優雅に屋敷に入っていく
偽造したパスを見せると、黒服が頭を下げた
「失礼、ミセス」
探知機のような機械が、俺と藤ヶ谷の体のラインをなぞる
「どうぞ、お楽しみくださいませ」
にこりと口角を上げた黒服に、屋敷の奥へと続く道へと通される
不自然にならないように、藤ヶ谷の腕に、腕を絡めて寄り添って歩く
「お前は、随分と化けたな」
藤ヶ谷が、ぼそっと呟く
「あら。藤ヶ谷も、よくお似合いよ」
タキシードを颯爽と着こなした藤ヶ谷はどこから見ても紳士的で、絡めたソイツの腕に、偽物の胸をぎゅっと押し当てた
少しだけ眉をひそめた藤ヶ谷の顔を見ないふりをして、不慣れなピンヒールをかつッと鳴らして、会場へと歩みを進める
「なんだか、予想以上に厳重だな」
「まぁ、だろうね。客も、主催者側も」
見渡すと、ビロードの幕が下りている大ホールには、大勢の人間が集まっているが、その誰しもが、マスクやサングラスで、それとなく顔を隠している
「身分がバレちゃまずいってことか」
宮田の作ってくれた小型インカムも、千賀が作った小型銃も、普通の金属探知機には引っかからないように特別な細工がされている
こんな物騒なもんをもって、競売に入れるほど、ここのセキュリティは甘くないみたいだ
念には念を入れて、よかったぜ
ホールには、ウェイターがシャンパンやカクテルの入ったトレーを持ちながら、客たちに声を開けていた
酒を嗜みながらも客たちの視線は競売のリストに釘付けのようだった
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ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» ありがとうございます!これからも、彼には活躍を見守っていて欲しいですよね。あと、ウチの作品中でも、見守っていただく予定です(笑) (2020年7月13日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 謎の初老男性の登場見事です!絶対絶命の状況だと思ったのに…こんな風にいつまでも空から見守っていて欲しいですね! (2020年7月13日 1時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» 楽しみにしていただけて嬉しいです!予想を裏切ってハラハラからのスタートで二人をいきなり苦境に立たせてすみません(笑)後には、きちんとラブラブしていただくのでご安心下さい(笑) (2020年7月5日 9時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 続編更新待ってました!ありがとうございます!いきなりハラハラ展開続いてますね。まったりラブラブモードのスタートかと思ってました(笑)続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 8時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます!正体を明かす前から大倉くんに気づいていたとは、流石です^_^他の作品も読んでいただけているなんて、ありがたいです!!本作、これからもハラハラな展開が続きますので、お楽しみください! (2020年7月3日 7時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年6月26日 20時