たゆたうココロは.2

side T ページ4

「ミツ・・泣かないで」

「っ・・うっ・・・」



俺の下で、ぽろぽろとキレイな涙を流すミツは、とても可愛くて、いつも以上に小さくて、
俺より年上なのに、この手で俺が守ってあげたいと思った


ガヤの気持ちは知ってる


でも、俺だって、ミツが好きだ
この気持ちは・・譲れない


正しいことばかり言って、生きていられるほど、俺達は甘い世界で生きていない

辛いことだってたくさんある

だから・・俺が側にいてあげたい



「ミツ・・ミツ？」


ミツを怖がらせたくなくて、できるだけ優しく、唇を落とす
止まらない涙を親指で掬ってやると、その大きな瞳がこちらを向いた



「玉・・俺、俺は・・」


「もう、いいから」



今この場で、答えてくれなくてもいい

それでも俺は、ミツが好きだと伝えるよ




頬に手を添えて、その少し厚みのある唇を軽く啄む

んっ、と色っぽく漏らした吐息丸ごと飲み込むように、少しずつ、深く唇を合わせた



「ミツの事、好きだよ・・」


優しく、そう語りかけながら、着ていた上着をそっと脱がせた
想像より白い肌に、背筋が粟立つ


「あ、待って・・玉、」



俺の行動で、次のことを察したのか、ミツが少しだけ驚いたようにしてこちらを見た
揺れる瞳が、不安げなミツの心を映す


「好き」


一言短くそう伝えて、意外と白い、ミツのうなじに吸い付いた



「寂しいなら・・俺が忘れさせてあげる」

「あっ・・」


ミツが、息を飲んだのがわかった

ガヤのことが好きでもいい

これから、俺の事を好きになって？
俺が・・ミツの気持ちを変えてみせるから



チュッと深くその肌を吸う

ミツの手が、俺の腰のあたりをキュッとつかんだのを感じた

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