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side T ページ1

ミツのことを特別だと思うようになったのは、もうずっと前からだった
だけど、それと同時に、俺と同じくらい、ミツのことを特別に思っている人の存在にも気づいていた

そして、きっとミツも・・ガヤのことを特別だって思っている
本人同士は気づいていないのだろう

それなら、気づかないままでいいと思った



わかってる
その二人の間には、入り込めないと思っていた


だけど、ガヤを見ながら傷ついたように瞳を伏せるミツを見る度に、俺だったらそんな悲しそうな瞳をさせないのにと思ってしまう


きっとミツは、俺の事をかわいい弟、くらいにしか思っていないのも知っている

その固定概念を、ぶち壊したかった





「うわ、めっちゃ玉んちおしゃれー!お前も大人になったな」


リビングへ招くと、ミツが明るい声を上げた
このマンションに引っ越してから、ミツが家を訪れるのは初めてだったかもしれない



「ビール飲む?」

「え、いいの!?」


冷蔵庫から、冷えたビールとグラスを取り出して、ミツの前に置く
注がれた黄金色の液体が心地よい音を立てた



「あー、仕事終わりはやっぱ美味いな〜」



そういって、グラスを傾けながら、ミツはくしゃっと笑って見せた


「お疲れ」


自分もそう言ってグラスにビールを注ぐ


「え、玉も飲むの」

「うん、たまには付き合う」

「悪いな、普段そんなに飲まねぇだろ?」

「ふふ、今日はミツと、こうしたい気分だった」



そう言ってミツの方を見ると、少しだけその丸い目を揺らした後、「それはどーも」とまた笑った




「ってか、このマンションおしゃれだなー。流石イケメンたちは住んでる部屋が違うなー」

「っ・・」


ハハっと笑いながら、ミツがグラスを傾ける

何気ないその一言に、思わず手が止まる



ねぇ、ミツ、自分でも気づいていないの
だけど今、誰と重ねてそう言ったのかな


ミツと二人きりのこの部屋で、
くだらない嫉妬が沸き上がってしまう


推測の域を出なかったことが、確信に変わった瞬間だった
ミツはきっと、ここ最近ガヤの部屋へ行ったんだ



ねぇ、そこでガヤと、何シたの?

side Ki→



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やや子(プロフ) - 北玉ガヤ三角関係最高でした!みっくんが最後まで玉ちゃんに許さなかったことが藤北ハート愛を深く感じさせてくれました。素晴らしい作品ありがとうございました!できればガヤさんがいーぱい焼きもちやく続編みたいです。 (2021年6月6日 10時) (レス) id: 21deb2a54a (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» お久しぶりです^^お楽しみいただけて嬉しいです!そうなんですよー、ちょっと気まぐれに続編を書いてみようと思いました。ぜひ、次報をお持ちくださいませ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - ピンクピーチ様こんにちは!完結おめでとうございます…!揺れ動くKさんのこころがどちらに傾くのかどきどきしながら読ませていただきました。最後はFさんと心が通じ合ってうれしかったです!そしてLast jokerの続編が見れるということでそちらも楽しみにしています!! (2020年6月11日 16時) (レス) id: 1e7cf8c11f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - mokaさん» いつも、楽しみにしていただいて、ありがとうございました!FK.TKは、私も楽しく書かせてもらったので、またそのうち、この組み合わせでやりたいな、と思っております^_^ご愛読いただき、ありがとうございました! (2020年6月9日 21時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - いよいよ完結しましたね!私的にTとFに取り合いされるKが大好きだったのでこの作品は最高に大好きなお話でした!またどんなお話でもいいのでTKありのストーリー期待しています!(о´∀`о) (2020年6月9日 20時) (レス) id: dbb42cf0b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年5月21日 11時

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