僕等の恋の行く末は 完結編

side Ki ページ17

「じゃぁそろそろ、ニカ達んとこいって朝飯食いにこーぜ」

起き抜けに、速攻で藤ヶ谷に奪われた唇

キスなんて、昨夜散々したのに、改めて朝にすると、照れくさいような、恥ずかしさを感じてしまう
そんな気持ちを残しつつも、藤ヶ谷のいうとおり、そろそろアイツらのところに行かないと行けないな、なんてつい理性が顔を出した

だから、昨晩のせいで少しだけ、だるさの残る体を起こして、はだけていた浴衣を直す

薄っすらと残る赤い跡
藤ヶ谷が残したシルシ

その事実にまた頬が火照るのを感じて、おれはいつもよりきっちりと浴衣の胸元を整えた


「あ、待って北山！！！」

部屋のドアへ向かおうとしていた俺の手を藤ヶ谷が強く引いた


「なんだよ？早く起きろってお前が…」

「いや、ごめん！スマホ見たらこんなの来てて」


藤ヶ谷に見せられた画面に目を落とす


千ちゃんガヤさーん!!おかげさまで…俺たちもう少し寝てるから、二人で先にご飯食べてきて!!


「これって…」

「だよね…？」


千賀の送ったLINEの画面には、ウサギとくまがいちゃついてるスタンプが送られていた


「これって…喜んでいいってことだよな？」


俺が伺うように藤ヶ谷を見上げると、藤ヶ谷は優しく笑ってみせた


「うまくいったっぽいよね」

「ったく、世話焼ける奴らだな。じゃあ、先に食いに行こーぜ」


俺が踵を返すと、藤ヶ谷に再び手首を掴まれた

「今度はなんだよ？」

そういって、藤ヶ谷を見上げると、藤ヶ谷はきれいに微笑んで、ニヤリと口角を上げた


「俺たちも…ご飯は後にしない？」

「へ？だってさっきも散々」

思わず素っ頓狂な声が出た俺のことなんて、気にもとめず、藤ヶ谷は俺の身体をぐいと引き寄せて、あろうことか、俺はそのまま布団へと押し倒された


「お、おぃ、ふじが…！」

「俺は、朝ごはんより、北山がいいな」


俺を組敷いて、そういった藤ヶ谷は、ふふっと楽しそうに目を細めると、そのまま熱いキスをふらせてきた


「んっ…」

昨晩だって、あんなに熱く求めあったのに、たった一瞬でスイッチが入ってしまった

こんなに、色気を放つ藤ヶ谷に見つめられたら…もう無理だ

互いの熱を分け合うように、キスを繰り返す

頭の片隅で、この高級旅館の朝飯はきっと豪勢なんだろうな、なんて思いながらも、目の前の熱い唇が何より欲しくて、もっともっとと強請るように、藤ヶ谷の背中に手を回した

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