僕等の恋の行く末は

side Ki ページ9

「え、どうしたの、あらたまって」



俺は、目の前で食べ頃になってきた焼き色の肉をつつきながら、向かいに座るソイツの顔をみた


「・・・」

「おい、肉食いたいって言ったのお前なのに、なんでそんな険しい顔してんだよ。まぁいいや、とりあえず焼けたし、食おうぜ！」


上カルビを俺が皿の上に取り分けてやっても、ニカはその表情を崩さなかった
目の前に置かれたビールグラスの中身も、先ほどから一向に減っている様子はない


珍しく、ニカが二人で焼き肉に行きたいなんて言うから、仕事終わりに俺おすすめの焼き肉屋に連れてきてやったのに、
肉はおろか前菜のサラダすら口にしない二階堂

いくら小食といえど、仕事終わりで、そこそこ腹もへっているだろうに




「なんかあったか？仕事関係？」


ニカにかまわず、仕事終わりですでに腹の虫がないていた俺は、焼き立ての肉をほおばりながらその険しい顔を見上げる



「いや・・そういうわけじゃないんだけど・・」


言いにくそうに、ごにょごにょと話始めるニカの言葉に耳を傾ける
普段はやんちゃぶっていても、実はまじめでメンバー思いのコイツのことだ

もしかして何か悩んでいるのだろうか

それならば力になってやりたいけれど・・・


「なんだよ、水くせぇ。今更俺らの間で遠慮とかいらねーんだからさ、何でも話せよ？」


深刻そうなニカの表情に、俺もいったん箸を止めて、まっすぐに二階堂の顔を見てそう言ってやると、俯いていたニカが顔を上げた


「じゃ・・ミツだからいうんだけどさ・・」

「おう」

「千賀に・・一緒に温泉旅行、行こうって言われた」

「おう」

「それって・・・ガチなやつだよね・・」

「ん？・・え？・・は？」


それだけ言って、一向に言葉が続かないニカの顔を覗き込む

二カの意図することがわからない

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