僕等の恋の行く末は

side Ki ページ40

そんなことを思いながら、キーホルダーを眺めていると、ずいぶん時間がたっていたようで、背後からガチャっとドアの開く音がした


「あ、あがった？」

「・・・ん」



風呂上り、浴衣を綺麗に着こなした藤ヶ谷が、顔を見せる

ふわっと香るシャンプーの香りは、いつも藤ヶ谷が纏っている香水の香りよりも柔らかく鼻をくすぐる

浴衣のせいで、いつもより大きめに開いた首元

藤ヶ谷のキレイな喉ぼとけや、ちらりと見える鎖骨・・
濡れた黒髪はいつもより艶やかな気がして・・なんだか妙に色っぽい


って・・・俺は一体何考えて・・


「あ、それ」

ふと、藤ヶ谷が俺の手元にあったキーホルダーを見て声をあげた


「あ・・これ、サンキューな。改めてみると、やっぱりいい色だなって」

「ん・・どういたしまして」

「そういや、藤ヶ谷のは？これメンカラなんだろ？ピンクなんてあったの？」


俺が何気なくそう言うと、藤ヶ谷はタオルで髪をふいていた手を一瞬止めた


「あー、いや・・俺の色はなくてさ」

「え、じゃぁ・・」

「俺と、ワタの以外のカラーはあったから、俺達だけ無難に茶色にした。まぁ、ピンクとオレンジのレザーってむずいよな」

「あ・・・そう、なんだ・・」



チクリ

なんでだろう・・・


ただの、キーホルダーなのに


横尾さんと藤ヶ谷は、おそろいなんだ

別に、いいのに

二人が仲がいいことも、十分知っているのに

なんでこんなに…俺は苦しいんだろつ



「・・北山？」

藤ヶ谷の声に、ふと我に返る


「あ、ごめんっ・・ぼーっとしてて」

「北山、ドライヤー使うよね？先、いいよ」

「あ・・うん・・サンキュ・・」



なんでだろう

なぜか・・藤ヶ谷のことになると、こんなにも胸がざわつくんだ


こんなふうに思うなんて、俺…、どうかしてるよ

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