僕等の恋の行く末は

side Ki ページ35

「なんだ・・藤ヶ谷も知ってたのかよ。俺、もし俺しか知らなかったら、余計なこと言ってアイツらの気持ちばらしちゃまずいかもって思って」

「フフ、その割にうっかり口すべらせてんじゃん」

「そ、それは！//」


目の前の藤ヶ谷と、謎の心理戦を繰り広げていたら、あっという間に藤ヶ谷のほうがネタばらしをしてくれて、俺は心のソコから安心した

なんだよ、いろいろと余計な心配して損したわ



「でも、そっかー。ニカは北山に相談してたんだね。俺も正直、千ちゃんの気持ちをどこまで行っていいかもわからないから、
戸惑ってたし・・千ちゃんは俺にしか言えないって言ってたから、北山が知ってると思ってなかったしさ」


「俺もだよ。ニカに、ミツにしか言えない〜！って言われてたし・・」


「なんだかんだ、アイツら両思いってことなんだね」


「だな・・・」



先ほどより、だいぶ肩の力が抜けた俺は、少しぬるくなったお茶を啜った


「でも・・藤ヶ谷も、アイツらの恋路には賛成なんだ？」


俺が湯飲みをテーブルに置きながらそういうと、藤ヶ谷は、少しだけ考えたような顔でをしていた


「んー・・賛成っていうか・・ニカが好きって言った千ちゃんが、めちゃめちゃ可愛い顔で言うからさ・・なんか応援してあげたいし。それに・・ニカもいい奴だしさ。なんか、二人がそうなるかもって思った時は、なんかしっくり来たっていうか・・」

「あー、まぁ、わかる、な・・」


藤ヶ谷のその言葉は、俺が、ニカから千賀への思いを打ち明けられたときと、同じような感情だった

ほらな、ニカ

やっぱり藤ヶ谷は、反対なんてしねーじゃん


「でも、千ちゃん・・渉にはキレられそうって言ってたし、他のメンバーには怖くて言えないらしいよ」

「あーニカも、なんか同じ感じのこと言ってたわ。横尾さんにはキレられるし、藤ヶ谷には引かれるんじゃねーかって心配してた」

「フフ、別に俺達、そんなことないのにね」



そういって、声を上げて笑った藤ヶ谷は、今日見せた表情の中でも、とても優しい顔をして笑っていた

その目は・・
弟たちを見守る兄貴のような、優しい目

藤ヶ谷と、顔を見合わせて、こんな風に笑ったのは、なんだか凄く久しぶりな気がした

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