僕等の恋の行く末は

side F ページ33

北山と二人きりの部屋、お茶をすする音だけが響く

沈黙が流れる部屋の中で・・北山は何やら言葉を模索しているように挙動不審だった
きっと、沈黙が嫌なんだろうな、と思った

俺は別に、ただこうやって北山と向かい合いながら、お茶を飲んでいたって嫌ではないんだけど・・

そんなことを思っていた時だった



『ニカと千賀、うまくいってればいいけど』


沈黙に耐えきれなくなったのか、北山が不意に発した言葉に、とっさに顔を上げた

その言葉の意味に、思わずピンとくるものがあったから

俺が北山の顔を覗き込むと、目の前で、明らかに動揺の色を見せ始めた北山


今まで、わからなかったことが一つだけ・・もしかしらた、「そう」なのかと、確信に近い仮説が浮かんだ




「もしかして・・」


「っ・・・・」


「もしかして、きたやまも・・・そう、なの？」




俺の言葉に、北山はただその大きな瞳で真っすぐこちらを向いたまま、何も言わなかった

だけど、北山の目は・・言葉よりもよほどわかりやすい
否定をしないということは、やはりそうなのだろうか

嘘がつけないんだろうな、とほほえましく思った




「これは・・俺の勝手な妄想かもしれないけど・・」



北山の手前、一応前置きした




「もしかして・・北山も、知ってるんじゃないの？今回の旅行の目的・・」



じっと、北山の大きな瞳を覗き込むと、ゆらゆらとそのまあるい瞳が揺れた

あ、きっとビンゴだ

心の中で、俺はそう確信した




「ふ・・藤ヶ谷、は・・知ってるってこと、だよな・・？」

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