side Ki ページ29
「ついたー!!すげー!めっちゃ立派!!」
ニカと千賀のはしゃぐ声で、俺をふと顔を上げると、車窓から少し遠くに見える建物
交通量の多い幹線道路を避けるように、山の奥にあるその旅館は、門構えからして重厚で、
だけど静けさの中にも雅な雰囲気を纏っていた
さすが千賀財閥
こんなとこの会員になってるあたり、さすがだな
普通に泊まったらいくらするんだろうか、なんて庶民育ちの俺は思わず思ってしまったけれど、なんともその雰囲気によく溶け込んでいる藤ヶ谷の背中を見つめながら、一番後ろをついていった
「お待ちしておりました、ご予約いただいた千賀様ですね。いつも御贔屓くださりありがとうございます」
エントランスをくぐると、キレイな着物をきっちりときた初老の女将さんが、柔和な眼差しを向ける
案内されるまま、まっすぐな廊下を進んで、案内された部屋の前へたどり着いた
「あとは、自分たちでやるんで大丈夫ですよ」
おそらく、何度もきたことがあるのだろう
千賀が慣れた手つきで、女将さんからルームキーを二つ受け取るさまを見ていた
「かしこまりました、千賀様。ご夕食は、こちらのお部屋に18時でよろしいでしょうか」
「はい、よろしくお願いします」
「では、いったん失礼させていただきます」
女将さんは頭を下げると、しとやかに踵を返した
すげー、いかにも高級旅館だ
つい、廊下の装飾や、飾ってある骨董品をキョロと見てしまう
「ハイ、みつ。そっちの部屋、この鍵ね」
「・・・そっち?」
千賀が、俺の前に差し出したルームキーを見つめた
そっちの・・部屋??
「あ、ここの旅館、少人数制だから、一部屋二人までなの。だから、ここと隣と二部屋とってあって、夕飯は俺たちの部屋に一緒に用意してもらうようになってるから!
二人もそれまで部屋でくつろいでもいいし、こっち遊びに来てくれてもいよ〜。
あ、部屋風呂ついてるから、それもおすすめだよ!」
千賀は、悪気がなさそうにそう言って、天使のように真っ直ぐな笑みで、にこっと微笑んだ
「は?!千賀まじかよ?!」
「え?何かあった?あ、大丈夫だよー、ここはプライバシーもしっかりしてて、芸能人もよく」
「バカちげぇよ!部屋割…」
「え?だって、このメンツなら、部屋割りはシンメ同士で問題ないでしょ?」
千賀は、まるで何か問題でもあるの?というくらい、素直な表情で俺を見つめている
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ピンクピーチ(プロフ) - まいまいさん» はじめまして!二人の微妙な心情変化を読み取っていただき、ありがたいです(つ≧▽≦)気まぐれに色々書いておりますので、楽しんでいただけたら幸いです! (2020年9月6日 21時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - はじめまして!ドキドキしながら読ませていただきました〜、2人がお互いを意識していく過程がとても繊細に描かれていて、こっちまでジタバタしてしまいました…!続きが読めるの嬉しいです。FK最高です!! (2020年9月5日 14時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ももはさん» ももはさんに楽しみにしていただけて光栄です!!なかなか外に出れない今の、ささやかな楽しみになってくれれば、と思いつつ更新頑張ります!FKも2Sも、ここらから、です! (2020年4月5日 16時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - ピンクピーチ様っ!わわ!FKさんたち可愛いです(/ω\)ここからドキドキ可愛い!の始まりですかね?!週末の楽しみ、一気に読んじゃいましたっ|ω`)2sも気になります…!!また二部も楽しみにしております! (2020年4月3日 21時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» あこさん!あこさんにそう言っていただけて私こそ癒やしです☆うちのFKで少しでも楽しんでいただけるなら嬉しいです!これからの二人、どんなふうに近づいていくのか…お楽しみに☆ (2020年3月21日 0時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年3月15日 22時