僕等の恋の行く末は

side F ページ27

料亭の駐車場に戻ると、すでに三人が車の前にいた


「あ、ごめん、カギ持ってるの俺なのに！」

慌てて車へと駆け寄る


「ガヤ〜どこいってったの〜」

「ごめんな、今あけるから」



車のロックを解除して、みんなで車へ乗り込んだ


「あれ、がやさん買い物？お土産？」


俺の右手の紙袋をみて、千賀が言った


「あーうん。ちょっとふらっと見たら・・いいのがあったから。せっかくならメンバーでおそろいにしようかと思って・・買ってみた」

「え、なになに？ガヤサンキュー」

「えっとまず・・これが千ちゃんで、こっちがニカね」


二人に、それぞれ紺とグリーンのレザーキーホルダーを手渡す


「わ！ありがとー！！」


二人が、それぞれ嬉しそうに包み紙を開けていく



「あと、こっちが北山」

「あ・・サンキューな」


ふと、北山と交わった視線
だけど、少しだけ照れくさくて、すぐに自分から視線を外してしまった



「あ、レザーじゃん。しかもメンカラ」


北山が、そういってくれた



「みんなで、ここに来た記念になればいいかなって。あと、来れなかったアイツらには、お土産ってことで」


「えーありがと、ガヤ！大切にする！！」

「俺も！あ、せっかくだしこの鞄につけるよ〜」


ニカと千ちゃんの笑顔に、俺も笑って答えると、助手席の北山が、少しだけ口角を上げながら、カバンから取り出したキーケースに、そのキーホルダーをつけてくれている様子が目に留まった

ただ、それだけのことなのに、なんだか胸の奥がじんわりと温かくなった気がした

side Ki→←side F

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す