僕等の恋の行く末は

side Ki ページ17

「そういうわけだから、ミツ、来週のこの日は予定空けておいてね！」



楽屋で、いつも通りソファでくつろいでいると、こそこそと俺の隣にやってきた二階堂が俺に耳打ちしてきた


「あ・・わかった」


先週、なぜかあれよあれよという間に、ニカせんと二人と、なぜか俺と藤ヶ谷の四人で旅行に行くことが決まった
いや・・決まったというか、半ば強引に決めさせられたといったほうが正しいけれど



二階堂からこの話を持ち掛けられてからずっと、藤ヶ谷の気持ちが気になっていた

アイツは、俺も一緒に行くことになったって知っているのだろうか
知っていて、それでも来てくれるのだろうか

千賀に聞いてみたい気もしたけど、なんて聞けばいいのかわからずに、結局聞けずじまいのまま、今日にいたる




ちらりと、気づかれないように、その人物の横顔を盗み見る

伏せられた視線は小説にまっすぐ向けられていて、漆黒の瞳が微かに揺れている
相変わらずの通った鼻筋と、シャープなあごのラインは、こうしてみてもやっぱりきれいな曲線を描いている

いつみても・・キレイだよな、藤ヶ谷って



「ね、ミツ！わかった！忘れないでよ？」

「あ、あぁ、おう！大丈夫！！」



藤ヶ谷のほうを見ながらぼんやりしていると、ニカに肩をたたかれた


「あ、そういやニカ、お前ら先に撮影だろ、早く行けよ」

「あ、そうだった、じゃぁね、ミツ！絶対だからね！！」


しつこいくらいに念を押してきた二階堂が、忙しなくスタジオのほうへ向かっていった

なんだかんだ・・千賀は愛されてんなぁ

二階堂なんて、普段ツンってしている時もあるくせに、あんなに嬉しそうな顔で楽しみにしてやがる



俺も・・あんなふうに・・




「いいなぁ・・」

「え、キタミツなんかいった？」

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