僕等の恋の行く末は

side F ページ16

太輔今度の温泉旅行お前もいくんだって?



そう、打とうと思って、一度動かし始めた指先を止めた

だから、なんだっていうんだろう

こんな夜に、わざわざそんなことを言う必要ないかもしれない



第一、ニカはどういうつもりで北山を誘ったんだろう
単純に、千賀が俺を連れてくるなら、自分も風呂好きな北山にも声をかけたといったところだろうか

北山は・・俺が来ることを知ったうえで、行くことを決めたのかな
千賀の気持ちを知っているのだろうか・・

いや、でも千ちゃんは俺にしか言えないって言ってたし・・・
っていうか、俺が北山に聞いたら、千賀の気持ちをうっかりしゃべっちゃうことになるじゃん

それはだめだし・・・



「あ〜！もうっ！！」


手に取ったスマホを、テーブルに戻して、ソファに置いてあったクッションにバフっと身体を沈めた


「なんか・・頭ん中が疲れた・・」



わからない

北山の気持ちも、俺がどうすべきかも



「っ・・て、なんでいつの間にか北山の話になってんだよ・・」



そうだ、この旅行に関して俺が考えるべきことはただ一つ

千賀とニカが、うまく行きますように

それだけで十分なはず！！

北山のことは・・とりあえずおいておこう

たかが一泊二日の旅行だ


仕事の地方遠征だと思えば、大したことじゃない
別に、アイツと何かがあるわけでもないんだし



「・・寝よ」



俺はソファから立ち上がって、寝室へと足を進めた

そういえば、旅先での部屋割りどうなるんだろ・・

考えないようにしていたはずなのに、なぜか北山の姿が頭から離れず、結局悶々としながらベッドへともぐりこんだ

side Ki→←side F

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す