僕等の恋の行く末は

side Ki ページ14

「二人きりってわけじゃないから、もしかして、千賀も俺の事好きかもっていうのは・・俺の勘違いかもっておもって」


そういうと、ニカは少しだけ悲しそうな顔をした


「んー・・まぁ、なんともいえねーな・・」

「ねぇミツ？」

「ん？」


ニカが、グイッとテーブルから身を乗り出してきた


「お願い！！！ミツも温泉、来て！！」

「え、えぇ？俺？」

「うん！！俺と千賀が上手くいくように協力して！！」

「え、俺も行けってこと！？」



驚いている俺をよそに、二階堂は深く頭を下げて、一生のお願い！！と手を合わせてきた


「え・・行くのはいいけど・・俺がいたら、おじゃまじゃね？」

「そんなことないから！！」

「それに・・俺がいたら嫌がるんじゃ・・」

「え？俺はミツがいてくれたら心強いよ？！」




そこまでいって、その人物の名前を出す前にふと口をつぐんだ

藤ヶ谷は・・俺がいたら、どう思うんだろ



別に俺と二人きりってわけではない
きっと、千賀に誘われて、何気なくＯＫしただけかもしれない

だけど・・もし俺が来るって知ったら・・アイツはどうするんだろう


千賀と二階堂をくっつけるように協力するってことは・・自然と俺たち二人が一緒にいることが増えるわけで
それをアイツは・・どう思うんだろう

ふとそんなネガティブなことを考えてしまった自分に、俺は少し落ち込んだ



「ね、ミツ、いい？」

「あ、あー。うん・・仕方ねぇな…」

「やったぁ！！ありがとう！！」


目の前で、心の底から喜びを示している二階堂に、こんな気持ちを悟られてはいけないと、
俺も笑顔を作った

いいじゃないか、
もし俺が来ると知って、藤ヶ谷が行かないって言ったって・・それはその時に考えればいい


だけど・・・そうなったら、けっこう凹むな


封印したはずのマイナス思考がひょっこりと顔を出して、俺はニカに気づかれないように自嘲した


飲んで、そんな考えを忘れてしまうおうとグラスに手を伸ばすも、ビールグラスはすでに空になっていた

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