winter color of kiss

side Ki ページ16

結局、今日も仕事終わりにもう一つ仕事があった俺は、藤ヶ谷と別れて、結局一人で寂しく家路についた




せっかく、同じ気持ちになれたのに…

このままじゃ、俺達自然消滅？！

それだけは絶対に…

てか、そもそも俺たちって付き合ってるのか？！




『デートしたら教えてね？』




ふと、横尾さんの言葉が蘇る

そうだ、誘ってみよう！！

そう思って、テーブルにおいてあったタブレットに手を伸ばす

冬といえばやっぱり、イルミネーション?

都内近郊の有名なスポットを調べながら、ふと思い出す

イヤでも待て…こんなカップル満載の場所に男二人組の俺たち二人でいたら目立つか…

駄目だ！やめやめっ！

うーん…じゃあ、温泉とか？

え、でも待てよ…
温泉って、お互い裸で同じ風呂に入るわけで…

藤ヶ谷の裸…
肌か…ハダカ…

あああ！！！
だ、だめだ！
そんな下心丸出しの…



「おいっ！下心ってなんだよ？！」


一人の部屋で、思わず自分に突っ込んだ自分が死ぬほど恥ずかしい


「はぁ…」


ため息をついて、ソファに寝転ぶ

だいたい、デートらしいデートなんて、もう何年もしてない

しかもこんな仕事柄、
普通にあいつと出かけるのだって、いろんなしがらみが…

悶々としていると、長いバイブの音にスマホを手にとった


「え…」

その、表示された名前に思わず心臓が跳ねる

『あ、もしもし？』

スマホから聞こえるその低く響いた声は、
藤ヶ谷の声だった

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