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side Ki ページ34

「な・・何言ってるのよ」

その表情はロングヘアで隠れていた
でも、わかる


「お前が・・アイツらの弁当や俺に渡したココアにヒ素を入れたんだろ?医者の話では、致死量に微妙に足りないって言ってた・・わざと神崎に渡された分から抜いただろ?俺たちを殺すこともできたはずなのに・・」


「そんなの・・偶然よ」

「俺もそう思った・・でもお前・・俺が、男に路地裏で襲われたときに、男をわざわざ車で迎えに来たよな?俺を助けたようにも見えた」

「勘違いよバカじゃないの・・」

「極めつけは俺と藤ヶ谷が攫われたとき・・お前、先に地下室を出て行ったけど・・あの時警察が来た・・俺達にそんなことはできなかったし、横尾さんが呼ぶ前に来たって言ってたぜ・・?あれ、お前が呼んだんだろ・・?確認したら女の声で匿名の通報があったって言ってた」


「・・・何が言いたいのよ」


振り返った女は、俺を睨んでいた


「お前さ・・本当に神崎のこと好きだったんだろ?」

「っ・・」

「だから、言いなりになってたけど・・本当は、こんなことになってアイツが逮捕される前にやめてほしかったんだろ・・?アイツの事愛してたから」

「な、なによ・・」

「神崎は遊びだったのかもしれねーけどさ・・お前は本気だったんだろ・・」



俺が女をまっすぐ見つめてそう言い終えると、女はくるりと背を向けてしまった


「俺、お前たちのことは許せないけど・・乗り越えるって決めた・・あの事があって、自分の大切なモノに、ちゃんと気づいたから」


無言の背中に、そう告げると、女はため息を一つついて、俯いた


「アンタ・・神崎は遊びだったかもしれないって・・はっきり言うなんて、ひどい男ね」


そういって、ふっと寂しそうに笑った


「別にアンタたちのためじゃない・・」

「わかってるよ・・パリ行ったら・・もっといい男みつけろよ」



俺がそういうと、大きなお世話よ、とそう言って、女はそのままゲートをくぐっていってしまった

その背中が、振り返ることは二度となかった

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ぺこ(プロフ) - 何回も何回も見てしまうぐらい私がイチオシしてる作品です泣。何回読んでも藤北ー!!!ってなる作品。また来ます! (2023年2月20日 11時) (レス) @page38 id: 13b1a9ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - Hikariさん» ご愛読ありがとうございます!(^^)私も不憫なKさん好きですのでつい虐めちゃうんです…気が合いそうですねw2sのお話何処かで登場させてみたいです!なんだか、次作のアイディアにつながるヒントをいだけた気がします!藤北ニカセンを絡めた新作書いて見ようかな☆ (2020年1月5日 18時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
Hikari(プロフ) - 作品読ませていただいております。 このシリーズ特に大好きです。不憫なKさん好きなので← 特にFさん退院後のKさん最高でした! 作中の2sが付き合ってるようにしか見えず(フィルター)、よかったらいつか2人のお話も登場させてほしいです 新作更新頑張って下さい (2020年1月5日 11時) (レス) id: c57f7876e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - まんじゅうさん» はじめまして^_^最初から読んでいただけて嬉しいです!またlastjokerのほうもお読みいただいてるようで、重ね重ねありがとうございます!これからもほそぼそ頑張って行きますので、よかったら他の作品も楽しんでいってくださいませ^_^ (2019年12月9日 23時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう(プロフ) - ピンクピーチさんはじめまして!最初からずっとこの作品を見ていますがとてもいいですね!last jokerも頑張ってください!これからも作品楽しみにしていますね! (2019年12月9日 21時) (レス) id: 7a73a011d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年11月17日 18時

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