それは、タカラモノ 〜第四章 最愛〜

side Ki ページ30

「あ・・ん、んん！」


深く、深く口づけられると、それだけで腰が浮く

藤ヶ谷のキスは、甘い

とろけるくらいに甘くて、優しく俺の口内を犯していく



俺から離れていく瞬間の、キレイな鼻筋が描くシルエット

その整った顔を見つめていた



「あ、あぁ、藤ヶ谷っ・・」


奥の、敏感に快楽を拾う一点を何度も擦られて、その度に体がびくびくと痙攣するように反応する
何度か達しているはずのソコは、すでに上を向いて主張している



「だ、ダメ・・！ソコ、や・・」

「嘘つけ。めっちゃ気持ちよさそうに感じてるくせに」

「も・・ヤダっ・・はずかし、」

「北山の声・・好き」




藤ヶ谷から逃げるように腰をひねると、そのまま腰を抱えられて、今度は角度を変えて突き上げられた



「や、あ、あぁあっ！」


もうただ、与えられる快感を素直に受け入れて、バカみたいに喘いでしまう


肌がぶつかり合う音と、ぐちゃぐちゃになった、つながっているソコ
お互いの荒い呼吸と共に、どんどん激しくなる律動


「あぁ、あっ！藤ヶ谷、キス・・してっ・・」


繋がっている身体

時折何かに耐えるように、色っぽく眉間に皺を寄せて奥歯をかみしめる藤ヶ谷の表情が、
官能的で堪らない



キスを強請ると、藤ヶ谷が、ぐっと深く唇を合わせてく
ぴちゃぴちゃと、舌先で口内をまさぐられると、あっという間に脳が溶けていくようにぼうっとしてくる


深くなるキス、奥まで響く藤ヶ谷の腰つき

全部が・・・堪らなく、気持ちよすぎて


狂いそうになる

それと同時に、藤ヶ谷が俺を見つめる目が、俺に触れる手の一つ一つが、優しくて、愛に溢れていて…

幸せだ




「ん・・ふじがやぁ！い、イくっ・・」

「きたやま、あぁ・・俺、も・・」


ビクッと大きく俺の中で体を震わした藤ヶ谷が、色っぽく響く声で、直前に言った言葉


「きたやまっ…好き、だっ…！」


その言葉を噛み締めながら
そのまま、どちらからともなく、激しく、貪るように唇を合わせて、ほぼ同時に、白濁を吐き出した

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