それは、タカラモノ 〜第四章 最愛〜

side F ページ27

はぁはぁと、まだ整わない呼吸を繰り返しながら、二人で肌を合わせたままベッドに沈む


うっすらと目を開けてこちらを見た北山の頬をやさしくなでて、汗で張り付いた前髪をかき分けてやる
まだ下半身はつながったままで、北山の汗ばんだ身体をもう一度横から抱きしめた


「きたやま・・愛してるよ・・」



もう一度、その赤く熟れた果実のような唇に吸い付くと、大きな瞳に見つめられた



「ね・・もう一度・・抱いて・・」


キスの合間に、消え入りそうな声で北山がそう呟いた



「抱きたい・・・抱かせて」


くちゅりと艶かしく響く水温とともに下半身のつながりを解く
今度は、北山の身体を仰向けにして、その上に静かに覆いかぶさった

北山のうるんだ瞳と視線が交わる

それだけで、嬉しくて泣きそうだった


もう一度、北山の中に自身を埋め込んでいく

先ほど吐きだした俺の欲が、くちゃりと厭らしく粘着音をたてて、一層俺の律動を促す



「あぁ・・きもちっ・・」


俺の腕に、グッとしがみついた北山の表情、耐えるように眉間に寄せた皺、○いを増す瞳、
色っぽくて、すべてが官能的で、火照っていく体が鮮やかに、北山を色づけていく


「しがみついてて・・止まらなくなりそ、う・・」



北山のナカは、ありえないくらい気持ちい
温かくて、柔らかくて、北山のようにふわふわしていて・・

ずっと、このままこうしていたいと思わせるほどに



この世の中で、こんなにも幸せな瞬間があることを、初めて知った

大好きな人と、一つになるこの瞬間は・・

特別だ


「あ、藤ヶ谷ぁ・・ンンっ・・」



高く喘ぐ声も、すこし苦しそうに逸らす視線も、全部好きだ



ふと、北山が俺の背中に腕を回してしがみつく
そう、そうやってずっと、俺の側にいて欲しい

もう二度と離れたくない


そう思った時だった

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