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はたから見るとソファで抱き合うような格好になっている俺たちを見て一瞬藤ヶ谷の表情が固まった気がしたその瞬間



「はやく来いよ」



思いっきり俺の腕をつかむと、玉から引きはがすように

藤ヶ谷は俺の腕をつかんでぐいぐいと進んでいく


「っちょ・・痛いって」


よく状況を理解しないまま、藤ヶ谷につかまれた二の腕は
ありえないくらいの力が込められていて


「おいっはなせってば」


俺の抗議を無視して、なぜか一瞥もせず進んでいく藤ヶ谷が乱暴にドアを開けて俺を押し入れたのは

スタジオではなくて

おそらく今日は使われていないであろう 小道具などが乱雑に置かれている狭い部屋


壁際に無理やり押しやられ

「お前、何もわかってない!!」


退路をふさがれて、なぜか冷たい視線を向けられる


「・・悪かったよ順番変えさせて」

「そんなこと、本気で言ってるの?」


俺の横に手をついて、藤ヶ谷が俺との距離を詰める

こんな状況なのに、近づいた藤ヶ谷の顔を直視すると いろいろとこみ上げそうで

思わず視線を外した



「玉と・・なにしてた?」


予想外の言葉に藤ヶ谷のほうを見上げると

まっすぐに、だけどどこか悲しい表情を浮かべる


「なにも・・」


「みてたよ。楽屋で・・俺じゃなかったらどうするつもり?」



メンバー間でとか、そういうのほんとやめろよな


短く吐き捨てると 藤ヶ谷が俺に背を向けた






早く行けよ、お前の順番ってのは本当なんだから

俺にそう言ったまま背を向けた藤ヶ谷の背中に

よくわからないけど違和感を感じて

肩を引っ張って思い切りこちらを向かせた


「っ・・・」


「おまえ、なんで・・」








「北山さーん!!!」

藤ヶ谷と向き合ったその瞬間

廊下から俺を探すスタッフの叫び声

出ていかないわけにはいかず、道具部屋に藤ヶ谷を残して後ろ髪を引かれる思いで俺は部屋を後にした





なんでお前が




「すいません・・順番変更してもらってしまったみたいで」




スタッフに笑顔を作りながら ざわつく俺の心は




さっき見た藤ヶ谷の表情が はなれない




なんでお前が 泣くんだよ

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年1月30日 14時

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