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「み、つ〜!!!!」




水買ってくる


って思わず飛び出したスタジオの前で


キラキラした王子様スマイルで背後から俺に抱き着いてきたのは


「なに?玉テンションおかしくない?」

「ん〜ミツは今日もおちびでかわいい、ぎゅーしてあげたくなる」


後ろから俺より結構でかい玉が、いっそう抱き着いてくる


「俺風邪気味だから、あんまり近づくなって」

「えーみつも風邪なの?」

「も??」


「がやもさー、風邪ひいてるんだって、仲良しだね〜」




のんきで天然な玉の発言に、少しだけ心を折られても


あ、そうなんだ


と興味なさげに顔をそむける




「ふふっ・・なんかあったでしょ、みつ」


天然なくせにたまに天性の勘を働かすから、たちが悪い


「別に」


「うそ〜、がやとなんかあった〜??」


「は?なんで藤ヶ谷・・」




だって


みつのこと そんな顔させられるのは、がやしかいないから






思わず言葉を失った俺に



がやも気分屋だからね〜



そう言い残して、いつものふわふわした足取りで
宮田にちょっかいをかけに言った玉の背中を見送った





スタジオに戻ると 藤ヶ谷がいて


「やっぱり熱っぽいんじゃねーの?」


あんま、無理すんなよ



そういって

本当は自分のために持ってたんだろって思うような

甘ったるそうな味の のど飴をテーブルの上に差し出した






「すいませーん、ちょっと機材トラブルで、あと30分後の再開にします」


スタッフの呼びかけに、俺の沈黙は破られて


「ありがと」


そう一言だけ残して、俺はスタジオの一番端っこのソファーにもたれかかる





藤ヶ谷にもらった甘ったるいのど飴を一つ取り出して口に入れると

いかにもアイツが好きそうな

はちみつの甘い味が広がって なんだか無性に寂しくなって目を閉じた

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年1月30日 14時

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