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タイトル ページ1

生温かくて心地よい、こんな時間が永遠に続くわけもないって


どこかで気づいてしまった時から


俺たちは背を向けて歩きだしていたんだと思う









「もうこういうこと、やめよう」






床に散らばった衣服を拾い集め、さっきまでの甘い時間を隠すように

その赤い刻印を覆うように、ひとつづつシャツのボタンを留める手が、


止まった




「・・え?」


「だから、もうやめたほうがいいと思うんだ、俺たち」





俺の前に立って、不穏な言葉を紡ぐのは、俺の相棒で、誰よりも愛しい人


「ただの・・仲間に戻ろう」


形のいい唇が紡ぎだす言葉が


「なにいって・・冗談・・」


「本気だよ、ずっと思ってた」



さっきまで、俺の首元で、散々甘い言葉をささやいたくせに

この肌には、まだその香りが残っているのに

そんな黒い棘で俺の心をかき乱す

いつだって、好きなのは俺のほう・・・?



「さっきのは、うそだったの?」

「うそじゃ・・」

「じゃぁなんで?!」




俺のこと・・


好きじゃなくなった??





否定してほしいという気持ちの裏腹に、

きっと俺がこれ以上何を言っても、こいつの気持ちはもう戻ってこないんじゃないかって


どこかでわかっていたけど


「待ってっ・・・!!」


都合のいい関係でも 割り切った関係でもいい

このまま失うくらいなら 身体だけでも おまえに明け渡したってかまわないから




「自由になりたいっていうなら、お前が好きな時にだけ呼べよ」



俺の身体 好きに使えばいい

プライドも何もかも捨てて 追いすがってみたけれど







ごめん






そう一言だけ言い残すと、

お前の色だからって

俺には似合わないなっていいながら、赤いリボンを付けた合カギを静かにテーブルにおいて、





藤ヶ谷は俺の前から去っていった

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年1月30日 14時

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