Ki 37 ページ37
『な・・ミツ…何、言ってるの・・・?』
一番先に言葉を発したのは千賀だった
明らかに動揺した目で此方を向く
『ごめん・・』
『わけは?』
玉が、机に腰かけたままで、冷たく言い放った
『ミツの今の発言・・俺は納得いかないから』
いつもの、ふわっとした玉からは想像できない強い目で此方を見る
みんなが集う広間の空気に、ピシッとひびが入る音がした気がした
『この間の・・・任務のことだ』
俺は、言葉を紡ぐと同時に、ぐっと拳を握った
『皇帝の奴らに・・あの場で会って、やり合ったときに、俺はそのうちのリーダーに銃を突きつけた。ソイツの命と引き換えにここを通せって・・』
握った拳が汗ばむ
『でも、そいつら・・迷うことなく、リーダーを撃った・・弱い奴はチームには必要ないって・・・それが、正しいとか、いいとは思わねぇ・・!けど・・・』
全員が、黙ったまま俺の言葉の続きを待つ
『藤ヶ谷が、撃たれたときに、アイツは・・俺に、一人で先に逃げろって言った。Jokerを守るためにお前が行けって・・アイツはチームを思って・・だけど・・だけど俺は・・・』
言葉尻が、情けないほどに震える
『俺はできなかった・・・藤ヶ谷を置いて・・逃げるなんてできなくて・・
俺達の中で、任務の完了は、第一優先事項なはずだ。だけど・・・俺はチームよりも、藤ヶ谷を取った』
ポタっと、握りしめた拳の上に涙が落ちた
『藤ヶ谷が・・大切なんだ・・・失いたくない。あの時・・皇帝の奴らに殺されるかもしれない状況で、俺は死ぬなら二人がイイって思った・・・今回は、みんなに助けられて生き延びた。でも、次はわからない。次同じことになっても・・俺は・・』
俺はきっと・・いや、必ず、だ
『俺はまた、任務を犠牲にしてでも・・・藤ヶ谷の命を取ると思う・・・』
一度流れた涙は、ドンドン溢れて顎先に溜まっては、床へと滴っていった
『藤ヶ谷・・が、好きなんだ・・・』
言葉にするとたった二文字なのに
声に出すとどうしてこんなにも、重いのか
『こんな弱い奴に、チームの特攻なんてポジション・・・任せておけねぇだろ・・・』
言い切ると、堰が切れたようにまた涙が溢れた
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ピンクピーチ(プロフ) - keitaku125さん» チームワークと、藤北の甘酸っぱい恋模様と、どちらも楽しんでいただけるよう、続編も頑張りたいと思います^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - まりぶさん» ありがとうございます!次のおはなしもどきどきはらはらでたのしんでいただけるように、構想熟考中です^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
keitaku125(プロフ) - 続編見たいです!7人のチームワークも好きでしたが両思いなってからの藤北のコンビと信頼感が大好きでした。続編がどんな感じになるのか楽しみです! (2020年6月10日 21時) (レス) id: 533dfc9d96 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みちゅどんさん» ストーリー柄ハラハラドキドキな展開が多いですが…次もそうなると思います(笑)続編も、楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» そう言っていただけて嬉しいです!!続編も、気に入っていただけるように頑張って執筆します^_^ (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年11月14日 16時