Ki 12 ページ12
聞きなれた地面を揺らすようなエンジン音が、近づいてきて、人の群れをかき分けるとあっという間に俺に向かって走ってくる黒
夜風をかき分けて走る、妖艶な黒い魔物が、靡く黒髪の隙間から俺を見つめた
そのシルエットは、いつも通り甘美で妖艶
あぁ、この瞬間が、いつだって俺を高揚させる
そのバイクから、すっと長く、差し出された片手に、同じように俺も右腕を伸ばす
パシッ
ものすごい速さで、俺の横を走り抜ける瞬間に
ぎっちりと掴まれた俺の右手
そのままふわりと体が浮いて、そこだけ時間が止まったように空中を舞う
片手で、藤ヶ谷の広い肩に、体ごと担ぎ上げられ、いつもの香りが鼻腔を擽る
『タイミングばっちりだ』
『・・当たり前だ』
俺をしっかりと抱きとめた藤ヶ谷の横顔が、ふっと笑った
颯爽と夜の街を駆け抜ける、轟音を響かせるバイク
後ろに俺をのせた藤ヶ谷が、月夜を浴びながら、あっというまに風を切って、ビル群を置き去りにするように走り抜ける
ストン、と藤ヶ谷の背中を伝って後ろの席におろされる俺の身体
この、広い背中から伝わる体温
藤ヶ谷の、甘い香りは、夜の風を切って、妖しく香る
首元に光る、藤ヶ谷が愛用しているゴールドのチェーンが月明かりを受けてキラキラと揺れる
これを感じながら、あぁ、一仕事終わったな、と俺は満たされていくこの瞬間が、なにより好きだ
ここは、俺だけが知る特等席
ここの最高の景色は、誰にも味わえない、俺だけの時間
藤ヶ谷の腰に回した両腕を、静かにぎゅっと握りしめた
『北山・・』
『ん?』
藤ヶ谷の唇が、低く呟く
『おつかれ』
ふと、肩越しに振り返った藤ヶ谷が、口角を上げて、笑った
『おう』
『さ、みんなのとこ帰るか』
俺が、同じように笑うと、藤ヶ谷は目を細めて笑った
月夜に照らされた、彫刻のような横顔
高い鼻が描くシルエットが、夜の街にキレイに映った
俺達のチームは、最強だ
****************
公開からわずか2日で殿堂入りいただき、感動です!!
皆様の心にも、Edge of days の世界観を表現した設定が深く刺さったようで・・嬉しいです!!
引き続き最後までついてきていただけるとありがたいです!
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ピンクピーチ(プロフ) - keitaku125さん» チームワークと、藤北の甘酸っぱい恋模様と、どちらも楽しんでいただけるよう、続編も頑張りたいと思います^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - まりぶさん» ありがとうございます!次のおはなしもどきどきはらはらでたのしんでいただけるように、構想熟考中です^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
keitaku125(プロフ) - 続編見たいです!7人のチームワークも好きでしたが両思いなってからの藤北のコンビと信頼感が大好きでした。続編がどんな感じになるのか楽しみです! (2020年6月10日 21時) (レス) id: 533dfc9d96 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みちゅどんさん» ストーリー柄ハラハラドキドキな展開が多いですが…次もそうなると思います(笑)続編も、楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» そう言っていただけて嬉しいです!!続編も、気に入っていただけるように頑張って執筆します^_^ (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年11月14日 16時