Ki 1 ページ1
「ん・・」
寒さに身を捩って、寝返りを打ちながら、毛布を巻き込む
ちらりと確認した時計には、まだ余裕がある表示
もう一度、寝ようか
キリリと痛む背中
寒くなるこの時期は、その古傷が、やけに痛む
そのまま、重くなる瞼に身を任せて俺はもう一度夢の中へ落ちた
*
『楽勝だな・・』
難攻不落と言われていた、都会の高級ジュエリーショップさえ、俺の手にかかればいちころだ
海外から買い付けた品物は、数億もくだらないとか
数々のお宝を強奪してきた自他ともに認める腕利きの俺としては、ハンターの名に懸けて手にしたい品物ばかり
くだらねぇ世の中
光と影の中で・・俺は影を選んだ
満たされない自分を、満たすために
一番の狙いは、かつての皇帝も愛したといわれる深い青を宿した宝石
1カラットはありそうなしろもの
美しい輝きは、人の心を悪魔にするとまで言われた禁断の輝き
その美しさに心を奪われた者同士で骨肉の争いが起き、国同士の戦争までを引き起こしたとか
丁寧にガラスケースに収められた、その宝石を嘗め回すように見て、
右手に握りしめていた鉄の棒をぎゅっと握りなおした
『へぇ、見事。まぁこれは、国一つ滅ぶだけあるな』
まぁ俺には関係ねぇ
さて、さっさと片付けて、今日は高級シャンパンで祝杯だ
握りなおした棒を、そのガラスケースにめがけて思い切り振り下ろした時、
ガラスの割れる音を想定していた俺の首筋に、ぴたりとナイフが突きつけられた
『っ?!』
『待てよ。これは俺のだ』
冷たい感触
背後を見ると、長身の、端正な顔立ちの男が俺の首にナイフを突きつけて立っていた
『動くな。武器を置いてさがれ』
低く響く低音
男はさらに俺の首にナイフを突き立てる
黒いロングコートと、首に光るゴールドのチェーンが対照的に煌めく
真っすぐ通った鼻筋と、冷たい切れ長の目
整った顔立ちは、テレビドラマから飛び出してきたように、端正だった
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ピンクピーチ(プロフ) - keitaku125さん» チームワークと、藤北の甘酸っぱい恋模様と、どちらも楽しんでいただけるよう、続編も頑張りたいと思います^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - まりぶさん» ありがとうございます!次のおはなしもどきどきはらはらでたのしんでいただけるように、構想熟考中です^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
keitaku125(プロフ) - 続編見たいです!7人のチームワークも好きでしたが両思いなってからの藤北のコンビと信頼感が大好きでした。続編がどんな感じになるのか楽しみです! (2020年6月10日 21時) (レス) id: 533dfc9d96 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みちゅどんさん» ストーリー柄ハラハラドキドキな展開が多いですが…次もそうなると思います(笑)続編も、楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» そう言っていただけて嬉しいです!!続編も、気に入っていただけるように頑張って執筆します^_^ (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年11月14日 16時