side Ki ページ9
「ね…きたやま…」
俺の首に腕を回して抱きついてきた藤ヶ谷が、切なそうに火照った顔でこちらを見てきた
その漂う色気にあてられる
「もっと…」
「へ？！」
「ほし、い…」
「え…あ、、あ、あぁ！」
ペットボトルをとってキャップを外した
仕方なく、またそっと唇を合わせて水を流し込んでやる
そのたびに、コクンとなる喉仏をみつめて、俺は体の中心に熱が集まっていくのを感じていた
なんか…無駄に…ドキドキする…
目を伏せた藤ヶ谷の顔は、間違いなく俺の顔なのに、なんか、むだにエ ロくて…
あぁあ！！
俺の理性！しっかりしやがれ！！
相手はあの藤ヶ谷だぞっ！
「きたやまぁっ…」
なぜか、火照った目で、こちらを見る藤ヶ谷
腕を伸ばして、こちらを見上げてくる
その姿は俺なんだけど…なぜか、めちゃくちゃ色っぽくて…
あぁ！もうっ！
半ばやけくそで、その藤ヶ谷入の俺の体をやんわりと抱きしめる
すぽっと、俺…というか藤ヶ谷の姿をした俺の胸の中におさまる、俺の見た目の藤ヶ谷
なんか、めちゃくちゃちょうどいいサイズ感
普段抱きしめられる側の俺は、こんなふうに藤ヶ谷を抱きしめたことなんてなくて…っていっても、ほぼ撮影のためなんだけど
いや！っていうか待て！！
ちょうどいいって、まるで俺が小さいみてぇじゃねぇか！
俺はめり込んでるだけでチビじゃねー！
ふと見ると、藤ヶ谷が、んん…っと色っぽくつぶやく
「きたやまぁっ…もっとぎゅーしてぇ」
「えっ！」
なんだよっ…その、お願い
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2019年10月29日 16時
