飲み過ぎにご注意ください ページ8
「お前、どんだけ飲んだんだよっ!」
「んー…」
「ほら、藤ヶ谷!しっかり歩けよ!」
俺が、悪かった
大倉と、ずっと前から約束していたにも関わらず、果たせていない飲みの約束を、藤ヶ谷に代わりにいってもらったから
人見知りな藤ヶ谷だけど、事務所の先輩だし、いけるかなって思ったら、案外了承してくれたし
なのに、
まさかの、潰れた状態で帰ってくる始末
どうしても風呂に入りたい酔っぱらいを介抱しながら、なんとかカラスの行水のごとく風呂を済ませた
「んっ…」
さっきから、少し赤い顔で魘されている、藤ヶ谷…ではなくて俺の顔
俺の中に入っても、体質は藤ヶ谷なのか、はたまた、飲みすぎたのか…
「おい、水飲むか?」
「ん…」
ペットボトルを受け取ろうにも、手に全く力が入っていない
あー、もう、仕方ねぇな
仕方ねぇからだからな!
これは、仕方ねぇからだから!!
下心とかじゃねぇからなっ?!
ペットボトルのキャップを開けて、藤ヶ谷の…というか、みためは俺の唇を、自分の唇で覆った
「ん、」
ちょっとずつ、水分を流し込む
「は、あ。」
「おい、大丈夫か?」
藤ヶ谷は、ベッドに仰向けのまま、うーんとか、んーとか、苦しそうだ
「き、たや、ま…」
「あ?」
「もうちょい、みず、」
「ほら」
また、唇を合わせて、少しずつ流し込むと、口の端から、たらりと水滴がこぼれた
「もっと、ほし…」
せつなそうに目を細めて俺を見る藤ヶ谷の顔は、無駄に赤くて、なんだか変な気になる
「ん」
くちゅっと、合わせた水温が鳴る
やべぇ、こいつのせいで、頭痛がして視界がぐらついた
思わず、ぱっと顔を離すと、藤ヶ谷が、俺の首に手を回してきた
「きた、やま…」
切ない声、潤んた瞳
そんな顔で、見ないでくれ
フリーズした俺の、首筋に、俺の顔をした藤ヶ谷が、ちゅうっと吸い付いた
「っ!?」
慌てて目を見開くと、俺の気も知らず、藤ヶ谷は、すうすうと寝落ちしていた
勘弁してくれよ…
藤ヶ谷の胸元まで、タオルケットを掛けてやり、そのまま、頬をそっとなでた
熱い…
仕方ねぇな、全く
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年10月29日 16時