side F ページ4
「あー背中、クソいてぇ、藤ヶ谷のせいだ」
「お前のせいだっ!」
あろうことか、北山のバカのせいで、俺自身のかよわい背中に蹴りを入れてしまった
北山の身体の今では、何故かキック力も倍増した気がする
「藤ヶ谷も入ってこいよー」
「言われなくても入るよ」
「そんな怒んなよー、老けるぞ?」
「うるせぇ」
「あ、そういえば」
俺がタオルと下着を手にバスルームに向かうと背中越しに聞こえた北山の声
「お前、けっこう着やせすんのな!デカかった!!」
その瞬間、ケリを我慢した俺は、近くにあったバスボールを掴んで、思い切り北山めがけて投げてやった
体が俺じゃなかったら、風呂に沈めてやるのに
お調子者で、軽い北山と同じ部屋で暮らすのは、数時間ですでにストレスがたまる
「藤ヶ谷〜ビールもうねぇの?」
「ふざけんな、人の体でそんなに飲んだくれるな」
「こんなん、水みてぇなモンだろ〜」
一番は、俺を苛つかせる張本人の自覚がなさすぎることだ
ホント、早く戻ってくれ!!
「とりあえず、じゃあ仕事すっか!」
先ほど確認した、お互いのドラマやレギュラーの練習を始めると、急に男らしい真剣な眼差しになる
真っ直ぐに台本を見つめる目は、キレイで、
俺の顔に、北山の、いつもの真っ直ぐで一生懸命な視線が重なって見えた
その目に、何故か胸が苦しくなった
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年10月29日 16時