side F ページ13
ここでは言えないような、放送禁止用語をブツブツつぶやきながら文句を言っていた北山
あれから何度かトイレとリビングを往復したのちに、ベッドにコロンと横たわった
「ったく…」
仕方なく、薬箱の中をあさって、腹薬を差し出す
「あー、わりぃ…」
確かに、苦しそうだ
世話の焼けるソイツのために、今度はクローゼットの中を漁って、ブランケットを差し出した
本当はカイロとかもあればいいんだけど、CMでお世話になってるカイロは昨冬に使い切ってしまったし、ついこの間まで夏だったせいもあって、そんなものは用意していなかった
「あー、いってぇ…」
苦しそうに、ブランケットにくるまっている北山が、自業自得とはいえ少し不憫に思えた
なんだか、涙目で耐えているその姿は流石に可哀想で
「夕飯…食べれる?温かいスープは?」
あのまま、仕事の時間になった俺達は現場に向かった
楽屋でも、薬を飲みながらずっとうずくまっていた北山、の俺の姿
みんな、口々に俺のことを心配していたけど、苦しいのは紛れもなく北山なわけで
そして、仕事をやり遂げて、帰路についた今も腹を壊したまま、ずっと苦しそうにしていた北山は、あれからなにも口にしていない
「いや、夕飯…無理…かも…」
「水分はとったほうがいいよ」
仕方なく、白湯を用意して北山の前においてやった
「風呂入ってあったまんなよ」
「いや…もう…寝る」
ぐすんと聞こえてきそうな、もしかしたら北山にはついているのかもしれないなと思ったことのある、しっぽと耳を垂れて、北山は俺の姿でまぁるくなっていた
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年10月29日 16時