side F ページ35
俺の膝に、顔を埋めて、泣くニカに戸惑っていると、千ちゃんが、その奥のドアの前で立ったまま、泣きはらした顔で俺を見つめていた
ねぇ、何があった・・
「ね・・北山・・どう、かしたの？」
俺のその言葉に、二人はひどく傷ついた顔をしていた
目が覚めると、俺は病院に入院していて
渉の説明では、交通事故に巻き込まれたということだった
だけど、正直事故のことも、その前後の記憶も、おかしいくらいにすっぽりと抜け落ちていた
メンバーが、かわるがわるお見舞いに来てくれる中、北山だけは一度もここを訪れなかった
仕事が忙しいんだ、心配してるよ
渉はそう言っていたけれど、その渉がとても苦しそうな顔をしていたのが心に引っかかったまま、俺はその言葉を心にしまった
この違和感を、ほかのメンバーに聞いても、きっと同じような顔をする気がして、俺は何も言えなかったから…
俺は、北山に何かひどいことをしてしまったのだろうか
だから、避けるように顔を見せてくれないのだろうか
考えても、考えても俺はわからないままで
医師からは、傷の治りについては、すごい回復力だと、びっくりされたけれど、
正直、どんな怪我だったのかも、自分がどういう状況だったのかも、何も思い出せなかった
無理に思い出す必要はないと、医師に言われていた通り、考えないようにしていたけど、
俺が忘れてしまった大切な何かが、もしかしたら北山を遠ざけているのかもしれないと思った
「ニカ・・北山・・なんかあったの？」
もう一度、ニカの顔を覗き込むと、
泣きはらした赤い目を上げた
ニカの泣き顔なんて、もうしばらく見ていないのに・・
「ガヤ・・本当に、覚えてないの」
「ちょ、ニカ！！！やめなよ！」
千ちゃんが、慌てた様に、ニカの肩をつかんだ
「ニカ・・？」
「あんなに、なってまで・・ミツは・・ガヤの事・・」
「え」
「ねぇ…なんでだよっ！！」
急に、大きく声を上げたニカを、思わず見つめたまま、俺は動くことができなかった
ニカが、俺と目をあわせて、ぐっと手を握られた
「おい、やめろ」
その、少しだけ掠れた
鼻にかかった声がしたほうを見た
ドアのほうを見ると・・
そこにいたのは、渉に、支えられるように、立っていた、小さな体
トクンっ…
心臓が、高鳴る
そこにいたのは
ずいぶんと、久しぶりに見たような気がする
北山の姿だった
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ピンクピーチ(プロフ) - あこさま！いつも温かいメッセージありがとうございます！励みにさせてもらってます！！もう少しで幸せな二人編に突入するので、もう少し頑張ります^_^ (2019年11月15日 15時) (
レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - こんにちは！更新されるたびに泣きながら読んでます。みんなの心の傷が癒えてふたりがしあわせな時間を早く過ごせることを願ってます。ピンクピーチさまもしんどい部分の更新大変だと思いますががんばってください！応援しております＾＾！ (2019年11月15日 14時) (レス) id: c75777a11f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みってぃーさん» はじめまして^_^日課にしていただけて大変光栄です！そして、温かいお言葉！こちらこそ泣きながら読ませていただきます！！これからも、更新励みますので、良ければ読んでやってください★ (2019年11月11日 18時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
みってぃー(プロフ) - いつも更新ありがとうございます！毎日更新されているか確認するのが日課になってます。そして、更新された話をここ最近泣きながら読んでいます。作者様の作品はどれも心に刺さるものばかりで尊敬しています。大変だと思いますが更新頑張ってくださいね。 (2019年11月11日 17時) (レス) id: 4e432f1ab1 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - キスマイさん» ご愛読ありがとうございます！これからは、藤北以外のメンバーの心情も複雑に絡みながら展開していきます…また楽しんでいただけたら、嬉しいです^_^ (2019年10月27日 10時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2019年10月23日 15時
